谷口教授と学ぶ
税法基本判例
【第26回】
「合法性の原則の内在的制約」
-スコッチライト事件・大阪高判昭和44年9月30日判時606号19頁の新たな読み方-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
本連載は、基本的には、拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)で参照している判例の中から、同書における叙述の順に従って判例を取り上げ検討してきたが(第1回1参照)、今回と次回で同書第1編(税法の基礎理論)の参照判例の検討は一先ず終えることにする。その前に今回と次回は、合法性の原則の制約について、租税平等主義と信義則に関する判例を取り上げることにする。
今回は、古い裁判例ではあるが、スコッチライト事件・大阪高判昭和44年9月30日判時606号19頁(以下「本判決」という)を取り上げ、租税平等主義との関係で合法性の原則の制約を検討しながら、本判決の「新たな読み方」を提示することにしたい。まず、その検討に関連する本判決の判示を以下に引用しておこう(下線・傍点筆者)。
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