谷口教授と学ぶ
税法基本判例
【第35回】
「更正の請求の排他性の意義と問題」
-最判昭和57年2月23日民集36巻2号215頁の「光」と「影」-
大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
前回までは納税申告義務の履行担保措置としての加算税に関する判例を3回にわたり検討したが、本連載の基本方針(第1回Ⅰ参照)に基づき拙著『税法基本講義〔第7版〕』(弘文堂・2021年)における叙述の順に従って、今回からは納税申告等の過誤是正措置としての更正の請求に関する判例を検討することにする。
納税申告の過誤是正について、確立した判例によれば、「確定申告書の記載内容の過誤の是正については、その錯誤が客観的に明白且つ重大であつて、前記所得税法の定めた方法以外にその是正を許さないならば、納税義務者の利益を著しく害すると認められる特段の事情がある場合でなければ、所論のように法定の方法によらないで記載内容の錯誤を主張することは、許されないものといわなければならない。」(家督相続「錯誤」申告事件・最判昭和39年10月22日民集18巻8号1762頁。以下「昭和39年最判」という。これについて第31回参照)とされている。
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