M&Aに必要な
デューデリジェンスの基本と実務
-財務・税務編-
【第4回】
「運転資本の分析(その2)」
-正常運転資本-
公認会計士 石田 晃一
▷M&Aで引き継ぐべき運転資本の検討
M&Aで企業を買収する場合、買収側は、「運転資本」に含まれる「正常な部分」のみを買収によって引き継ぐことが多い。運転資本のうち、正常な部分を引き継ぐことができれば、一般的に買収後の事業継続は可能となる。
したがって、M&Aによって買収すべきは、通常の場合、「運転資本のうち正常な部分」、すなわち「正常運転資本」に限られる、ということになる。
では、M&Aによって引き継ぐべき「運転資本の正常性」は、どういった要因から判断すべきであろうか。
▷正常運転資本の考察
「正常運転資本」について、通常の場合、以下のような図が示されることが多い。
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