公開日: 2021/09/27
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《速報解説》 令和3年度税制改正を受けて、グループ通算制度に係る法人税法施行規則別表等を改正する省令が公表される~既存の別表の見直しとともに新規追加も~

筆者: 足立 好幸

 《速報解説》

令和3年度税制改正を受けて、
グループ通算制度に係る法人税法施行規則別表等を改正する省令が公表される

~既存の別表の見直しとともに新規追加も~

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
足立 好幸

 

「法人税法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令(財務省令第66号)」が令和3年9月17日に公布され、同日から施行されている。

この改正省令では、令和3年度の税制改正を受けて、グループ通算制度に係る法人税法施行規則別表・地方法人税法施行規則別表関係(法人税法施行規則等の一部を改正する省令(令和2年財務省令第56号))の改正が行われており、既に公布されていた別表の見直しとともに、いくつかの別表が新規に追加されている。

新規に追加された別表など主なものは次のとおりとなる。

上記のうち、注目すべきものは、通算法人が試験研究費の税額控除の規定を適用する場合の別表である。

《①》

通算法人の試験研究費の税額控除については、単体納税制度と同様の計算の仕組みで、通算グループ全体で税額控除限度額(税額控除可能額)を計算して、その税額控除可能額を各通算法人の調整前法人税額の比(控除分配割合)で配分して、各通算法人の税額控除限度額(税額控除可能分配額)を計算するが、その計算をするために、以下の別表が用意されている。

《②》

上記の別表において、他の通算法人に係る計算要素を使用する必要があるが、その集計をするために、以下の別表が用意されている。

《③》

上記の別表では、通算法人が試験研究費の税額控除を適用した場合の修更正の遮断措置に対応するため、「この申告が修正申告である場合」の記載区分が用意されている。また、それ以外にも修更正の遮断措置に対応するための以下の別表が用意されている。

《④》

試験研究費の税額控除に関する「大企業に対する租税特別措置の適用除外措置」については、通算グループ全体の合計額で要件の判定(継続雇用者給与等支給額に係る要件、国内設備投資額に係る要件、所得金額に係る要件)を行うことになるが、そのために以下の別表が用意されている。

(了)

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 《速報解説》

令和3年度税制改正を受けて、
グループ通算制度に係る法人税法施行規則別表等を改正する省令が公表される

~既存の別表の見直しとともに新規追加も~

 

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
足立 好幸

 

「法人税法施行規則等の一部を改正する省令の一部を改正する省令(財務省令第66号)」が令和3年9月17日に公布され、同日から施行されている。

この改正省令では、令和3年度の税制改正を受けて、グループ通算制度に係る法人税法施行規則別表・地方法人税法施行規則別表関係(法人税法施行規則等の一部を改正する省令(令和2年財務省令第56号))の改正が行われており、既に公布されていた別表の見直しとともに、いくつかの別表が新規に追加されている。

新規に追加された別表など主なものは次のとおりとなる。

上記のうち、注目すべきものは、通算法人が試験研究費の税額控除の規定を適用する場合の別表である。

《①》

通算法人の試験研究費の税額控除については、単体納税制度と同様の計算の仕組みで、通算グループ全体で税額控除限度額(税額控除可能額)を計算して、その税額控除可能額を各通算法人の調整前法人税額の比(控除分配割合)で配分して、各通算法人の税額控除限度額(税額控除可能分配額)を計算するが、その計算をするために、以下の別表が用意されている。

《②》

上記の別表において、他の通算法人に係る計算要素を使用する必要があるが、その集計をするために、以下の別表が用意されている。

《③》

上記の別表では、通算法人が試験研究費の税額控除を適用した場合の修更正の遮断措置に対応するため、「この申告が修正申告である場合」の記載区分が用意されている。また、それ以外にも修更正の遮断措置に対応するための以下の別表が用意されている。

《④》

試験研究費の税額控除に関する「大企業に対する租税特別措置の適用除外措置」については、通算グループ全体の合計額で要件の判定(継続雇用者給与等支給額に係る要件、国内設備投資額に係る要件、所得金額に係る要件)を行うことになるが、そのために以下の別表が用意されている。

(了)

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連載目次

*  *  *

税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 

▷令和3年度税制改正(全7回)

▷令和2年度税制改正(全9回)

▷平成31年度税制改正(全8回)

▷平成30年度税制改正(全9回)

▷平成29年度税制改正(全9回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

はじめに

[1] 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し

1 改正内容

2 『自己創設営業権』の評価問題が解消!

3 連結納税開始日・加入日が平成29年10月1日の場合は旧税制が適用に!

4 どうせ時価課税されるなら、合併で時価譲渡になる方がいいのか、スクイーズアウトで時価評価される方がいいのか?(時価課税の有利・不利)

【第2回】 スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

[2] スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大

1 改正内容

2 連結納税の不利益を受けずに少数株主排除が可能に!

3 連結納税開始日が平成29年10月1日以後であっても、株式交換等が平成29年9月30日以前に行われた場合は旧税制が適用される!

4 全部取得条項付種類株式方式又は株式併合方式により連結納税に加入した場合、「完全支配関係を有することとなった日」はいつになるのか?

【第3回】 研究開発税制の見直し

[3] 研究開発税制の見直し

【第4回】 所得拡大促進税制の見直し他

[4] 所得拡大促進税制の見直し

[5] 役員給与等の見直し

[6] 地域未来投資促進税制の創設

【第5回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その1)

[7] 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充

1 中小企業経営強化税制の創設

【第6回】 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充(その2)

2 中小企業投資促進税制の見直しと適用期限の延長

3 商業・サービス業活性化税制の適用期限の延長

【第7回】 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限、災害特例措置

[8] 震災・災害に関する税制措置の整備

[9] 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限

【第8回】 連結法人の申告期限の延長の見直し

[10] 連結法人の申告期限の延長の見直し

1 法人税の申告期限の延長について

2 事業税の申告期限の延長について

【第9回】 地方税率の改正時期の変更他

[11] 地方税率の改正時期の変更

[12] 組織再編税制に係る改正

[13] タックス・ヘイブン税制の総合的見直し

▷平成28年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率等の改正

~はじめに~

[1] 連結法人税、連結地方法人税、住民税、事業税の税率の改正

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し

[2] 連結欠損金の繰越控除制度の見直し

[3] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[4] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第3回】 減価償却制度の見直し

[5] 減価償却制度の見直し

【第4回】 役員給与の見直し

[6] 役員給与の見直し

【第5回】 雇用促進税制の見直し

[7] 雇用促進税制の見直し

【第6回】 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

[8] 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

【第7回】 組織再編関連税制の見直し

[9] 適格現物出資の見直し

[10] 組織再編税制の見直し

【第8回】 移転価格文書化制度(その1)

[11] 移転価格文書化制度

1 多国籍企業グループの移転価格文書化制度

(1) 国別報告書

【第9回】 移転価格文書化制度(その2)

(2) マスターファイル(事業概況報告事項)

【第10回】 移転価格文書化制度(その3)

(3) ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)

2 国外事業所等との内部取引に係る移転価格文書化制度

【第11回】 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

[12] 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備

【第12回】 その他国際税務の改正・固定資産税の特例措置

[13] 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)の見直し

[14] 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施

[15] 機械装置の固定資産税の特例措置の創設

▷平成27年度税制改正(全12回)

※クリックすると表示されます

【第1回】 法人税率の引下げ

~はじめに~

[1] 連結法人税率の引下げ

【第2回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その1)

[2] 連結欠損金の控除限度額の段階的引下げ

(1) 連結欠損金の控除限度額の段階的引き下げ

(2) 連結所得金額の100%を控除限度額とする特例

① 中小法人等

② 経営再建中の法人

【第3回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その2)

③ 新設法人

【第4回】 欠損金の繰越控除制度の見直し(その3)

[3] 連結欠損金の繰越期間の延長

[4] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し

[5] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し

【第5回】 受取配当等の益金不算入制度の見直し

[6] 連結納税適用法人に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し

【第6回】 研究開発税制の見直し

[7] 連結納税適用法人に係る研究開発税制の見直し

【第7回】 地方拠点強化税制の創設(その1)

[8] 連結納税適用法人に係る地方拠点強化税制の創設

(1) 改正の概要

(2) 地方拠点建物等の取得費の特例措置

【第8回】 地方拠点強化税制の創設(その2)

(3) 雇用促進税制の拡充

【第9回】 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

[9] 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長

【第10回】 所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し

[10] 連結納税適用法人に係る所得拡大促進税制の見直し

[11] その他の租税特別措置法上の見直し

【第11回】 事業税の改正

[12] 連結納税適用法人に係る事業税の改正

【第12回】 国際税務の改正

[13] 連結納税適用法人に係る国際税務の改正

筆者紹介

足立 好幸

(あだち・よしゆき)

公認会計士・税理士
税理士法人トラスト

グループ通算制度・連結納税制度・組織再編税制を専門にグループ企業の税制最適化、企業グループ税制に係る業務を行う。

著書に、『令和6年10月改訂 プロフェッショナル グループ通算制度』『グループ通算制度への移行・採用の有利・不利とシミュレーション』『グループ法人税制Q&A』『M&A・組織再編のスキーム選択』(以上、清文社)、『グループ通算制度の実務Q&A』『グループ通算制度の税効果会計』『早わかり 連結納税制度の見直しQ&A-グループ通算制度の創設で何が変わる?』『ケーススタディでわかる連結納税申告書の作り方』『連結納税の組織再編税制ケーススタディ』『連結納税の清算課税ケーススタディ』『連結納税の欠損金Q&A』『連結納税導入プロジェクト』(以上、中央経済社)など多数。
 

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