谷口教授と学ぶ
税法基本判例
【第9回】
「課税減免規定の解釈のあり方」
-判例にみられる課税減免規定固有の問題の検討-
大阪大学大学院高等司法研究科教授
谷口 勢津夫
Ⅰ はじめに
前回は、税法が定める課税減免規定の解釈について、その限定解釈の意義・性格及び射程を検討したが、今回は、その解釈のあり方について若干の判例を素材にして検討することにする。
なお、これまで「課税減免規定」という言葉を特に定義することなく用いてきたが、ここでその定義を述べておくと、課税減免規定とは、納税義務の成立に係る課税要件法の定める種々の法律要件のうち、非課税・経費控除・所得控除・税額控除・課税繰延べ等の措置による租税負担の軽減又は排除を定める規定をいう。それは、納税義務の成立を積極的に根拠づける法律要件(課税根拠要件ないし積極的課税要件)を定める規定に対して、納税義務の成立や租税負担の発生を阻害する法律要件(課税阻害要件ないし消極的課税要件)を定める規定である。租税特別措置法が定める租税優遇措置は勿論これに当たるが、所得税法・法人税法・消費税法・相続税法等のいわゆる「本法」が定める、各租税の基本構造を形成する措置(構造的措置)に係る規定の中にも課税減免規定に該当する規定がある。
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