《速報解説》
国税庁、第5回有識者会議にて非上場株式の評価見直しの方向性を明示
~簿価純資産を基礎とする残余利益方式の採用を示唆~
税理士 柴田 健次
国税庁は令和8年8月20日、「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の第5回を開催し、その資料が公開された。
1 はじめに
第1回から第4回までの有識者会議では、会計検査院指摘の実態整理と国税庁が問題視する圧縮スキームの開示(第1回)、学術・実務家による評価通達本体への根本的問題提起(第2回)、中小企業・実務家・会計学の三者三様の視点(第3回)、国税庁による論点整理と当局として意見を求める6事項の提示(第4回)と、議論が段階的に進展してきた。
これに対し、第5回有識者会議では、「これまでの議論を踏まえた、国税庁の考える評価の見直しの方向性」として、国税庁が具体的な改正方針を初めて明示した点で、極めて重要な会議となった。
本稿では、第5回資料の要点を整理し、改正の方向性を読み解く。改正時期については、これまでの速報においても申し上げたとおり、令和9年度税制改正大綱において法人版事業承継税制の見直しと併せて議論がなされ、令和9年中に非上場株式の評価方法を明らかにした上で、令和10年の相続・遺贈・贈与から適用されるものと筆者は推測している。
2 国税庁が示した評価の見直しの方向性 ―3つの柱
第5回資料は、「これまでの議論を踏まえた、国税庁の考える評価の見直しの方向性」として、①評価体系、②評価方式、③インカムアプローチ、の3つの柱で改正の方向性を示した。
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