M&Aに必要な
デューデリジェンスの基本と実務
-財務・税務編-
公認会計士・公認不正検査士
松澤 公貴
第6節 偶発債務・後発事象の分析
【第16回】
「偶発債務・後発事象の分析(その1)」
▷偶発債務・後発事象
偶発債務とは、現時点では債務ではないが、一定の事由を条件に、将来債務となる可能性がある債務のことをいい、発生可能性が高く、かつ、金額が合理的に見積もれる場合は引当金として計上し、発生する可能性が低い場合は、貸借対照表に注記する必要がある。一方、後発事象とは、基準日後に発生した会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす会計事象である(以下、総称して「偶発債務(簿外債務)等」)。
多くの中小企業では、偶発債務(簿外債務)等が債務として確定するまでは、通常、負債に計上されていない。すなわち、多くのケースは簿外債務となっている。これは、多くの中小企業は、同族会社であり、引当金も税務上損金として認められず、開示や計上をする意義が乏しいからである。
▷偶発債務(簿外債務)等のデューデリジェンスにおける主な調査手続
しかしながら、M&Aの実務では、偶発債務(簿外債務)等は、ディールブレイカー(M&Aの検討を取りやめるほどの重要な項目)となる可能性が高く、可能な限り網羅的に下記の手続により精査し、内容及び影響額を早急に検討しなければいけない項目である。
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