M&Aに必要な
デューデリジェンスの基本と実務
-財務・税務編-
公認会計士 石田 晃一
第7節 関連当事者取引
【第19回】
「関連当事者との取引(その1)」
▷関連当事者取引がM&Aに与える影響
M&Aに際して買収対象となっている会社が、当該会社と相応の資本関係を有する会社や、創業者等との人的関係を通じた関係を有する会社等との間で恒常的な営業取引を行っている場合、そうした営業取引がM&Aによる買収後も従前と同条件で継続されるものとは一概には言えない場合も多いであろう。
こうした人的関係や資本関係等によって関連性を有する当事者、すなわち関連当事者間で行われる取引は、取引行為その他の経営活動を通じて、正当とは言えないような利益の供与/享受がなされていたり、不当な取引条件等に基づいていたりするような場合もあり得る。
このように、関連当事者間で行われる取引は、本来的には不要である取引が強要されたり、取引条件が不当に歪められていたりする場合等、当事者間で利益の相反する取引となっている可能性が高いことから、M&Aに際しては、当該取引を行うことについての経済合理性や取引条件の妥当性等について検討する必要があり、M&Aによる買収後、こうした取引が是正/解消されることで、買収対象事業がどのような影響を受けるかについて、慎重に吟味する必要があると言える。
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