連結納税適用法人のための
平成28年度税制改正
【第5回】
「雇用促進税制の見直し」
公認会計士・税理士
税理士法人トラスト パートナー
足立 好幸
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[7] 雇用促進税制の見直し
1 改正の内容
(1) 雇用促進税制の適用地域の限定
雇用促進税制(地方拠点強化実施計画の雇用促進税制及び移転型計画の雇用促進税制を除く。以下、「特定地域の雇用促進税制」という)について、適用の基礎となる増加雇用者数を、雇用機会が不足している有効求人倍率が低い地域(地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進地域(※)内)にある事業所における無期雇用かつフルタイムの雇用者の増加数 (新規雇用に限るものとし、 その事業所の増加雇用者数及び法人全体の増加雇用者数を上限とする)に限定した上、その適用期限が2年延長された(措法68の15の2)。
(※) 「同意雇用開発促進地域」は、厚生労働省のホームページで地域一覧が公表されている。
具体的には、連結法人が、適用年度(注1)において、次に掲げる要件のすべてを満たす場合には、適用年度の連結法人税額から、40万円に連結親法人及び各連結子法人の適用年度の特定地域基準雇用者数(注2)の合計(注3)を乗じて計算した金額(税額控除限度額)が控除される(措法68の15の2①)。
この場合において、税額控除限度額が、連結法人税額の10%(連結親法人が中小連結親法人である場合には、20%)に相当する金額を超えるときは、税額控除額はその10%相当額を限度とする(措法68の15の2①)。
(注1)
適用年度は、連結親法人事業年度が平成23年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各連結事業年度に限る(措法68の15の2⑤一)。
(注2)
特定地域基準雇用者数とは、連結親法人又は各連結子法人ごとに、適用年度開始日において地域雇用開発促進法第7条に規定する同意雇用開発促進地域内に所在する連結親法人又はその連結子法人の事業所(適用年度において地方拠点強化実施計画の雇用促進税制の適用を受ける場合には、その適用に係る特定業務施設を除く)において適用年度に新たに雇用された次に掲げる要件を満たす雇用者で適用年度終了日において当該事業所に勤務するものの数(その数が当該事業所のみを連結親法人又はその連結子法人の事業所とみなした場合における適用年度の基準雇用者数(※1)を超える場合には、その超える部分の数を控除した数)をいう(措法68の15の2⑤五)。
(イ) 連結親法人又はその連結子法人との間で労働契約法第17条第1項に規定する有期労働契約以外の労働契約を締結していること。
(ロ) 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律第2条に規定する短時間労働者でないこと。
(※1) 基準雇用者数とは、連結親法人又は各連結子法人ごとに、適用年度に係る連結親法人事業年度終了日における雇用者(※2)の数から連結親法人事業年度開始日の前日における雇用者(連結親法人事業年度終了日において高年齢雇用者に該当する者を除く)の数を減算した数をいう(措法68の15の2⑤四)。
(※2) 雇用者とは、連結親法人又は連結子法人の使用人(役員の特殊関係者及び使用人兼務役員を除く)のうち一般被保険者(雇用保険法第60条の2第1項第1号に規定する一般被保険者)に該当するものをいう(措法68の15の2⑤二)。
(注3)
特定地域基準雇用者数の合計が、調整基準雇用者数(※3)を超える場合には、調整基準雇用者数とする。
(※3) 調整基準雇用者数とは、連結親法人及びその各連結子法人の適用年度の基準雇用者数の合計(適用年度において地方拠点強化実施計画の雇用促進税制の適用を受ける場合には、地方事業所税額控除限度額の計算の基礎となった連結親法人及び各連結子法人の地方事業所基準雇用者数の合計を控除した数)をいう。
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