令和2年度税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説 【第1回】「「グループ通算制度とは」「グループ通算制度と連結納税制度と単体納税制度の比較」」
筆者: 足立 好幸
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令和2年度税制改正における
『連結納税制度』改正事項の解説
【第1回】
「「グループ通算制度とは」
「グループ通算制度と連結納税制度と単体納税制度の比較」」
公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
足立 好幸
連載の目次はこちら
~はじめに~
令和2年度税制改正において、現行の連結納税制度が見直され、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から「グループ通算制度」に移行する所得税法等の一部を改正する法律(法律第8号)及び地方税法等の一部を改正する法律(法律第5号)(以下、2つを併せて「改正税法」という)が令和2年3月31日に公布された。
連結納税制度の見直しのポイントは、拙稿「《速報解説》「連結納税制度」の見直しと「グループ通算制度」の創設~令和2年度税制改正大綱~」で解説したため、今回はグループ通算制度の概要について解説したい。
なお、本稿は、改正税法及び令和2年度税制改正大綱に基づいて記載しており、改正税法で定めているものは条文番号を記載している(したがって、条文番号が記載されていないものは今後公表される政令で定められることになる)。
また、本稿の意見に関する部分は、筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りする。
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連載目次
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税制改正における『連結納税制度』改正事項の解説
▷令和3年度税制改正(全7回)
▷令和2年度税制改正(全9回)
※クリックすると表示されます
- 【第1回】 「グループ通算制度とは」「グループ通算制度と連結納税制度と単体納税制度の比較」
- 【第2回】 「適用法人の範囲」「適用方法」
- 【第3回】 「事業年度」「申告・納付等」
- 【第4回】 所得金額及び法人税額の計算(その1:損益通算、欠損金の通算)
- 【第5回】 所得金額及び法人税額の計算(その2:グループ調整計算を行う項目)
- 【第6回】 所得金額及び法人税額の計算(その3:個別計算を行う項目、税率、中小法人等の判定)
- 【第7回】 「開始・加入・離脱に伴う時価評価と繰越欠損金の取扱い」「利益・損失の二重計上の防止措置」「地方税」
- 【第8回】 「修正・更正の遮断方式」「グループ内の税金精算(税効果相当額の授受)」
- 【第9回】 「適用時期」「経過措置」
▷平成31年度税制改正(全8回)
※クリックすると表示されます
- 【第1回】 研究開発税制の見直し(その1:総額型の控除率の見直し)
- 【第2回】 研究開発税制の見直し(その2:総額型のベンチャー企業に係る見直し)
- 【第3回】 研究開発税制の見直し(その3:中小企業技術基盤強化税制の見直し)
- 【第4回】 研究開発税制の見直し(その4:特別試験研究費の税額控除制度の見直し)
- 【第5回】 中小企業者向け租税特別措置における大企業の範囲の見直し
- 【第6回】 「設備投資促進税制の延長・見直し」「適用除外事業者の適用除外措置の範囲の拡大」「事業税の税率の改正」
- 【第7回】 M&A・組織再編税制の見直し
- 【第8回】 その他の税制改正
- 国際税務の見直し
- 連結納税に係る届出手続の簡略化
- 連結納税に係る別表様式の改正
▷平成30年度税制改正(全9回)
※クリックすると表示されます
- 【第1回】 『所得拡大促進税制』の改組(その1:大企業向け)
- 【第2回】 『所得拡大促進税制』の改組(その2:中小企業向け)
- 【第3回】 『所得拡大促進税制』の改組(その3:連結納税特有の論点、連結納税と単体納税の有利・不利)
- 【第4回】 『情報連携投資等促進税制』の創設
- 【第5回】 『大企業に対する租税特別措置の適用除外措置』の創設(その1:連結納税と単体納税の取扱いの比較)
- 【第6回】 『大企業に対する租税特別措置の適用除外措置』の創設(その2:連結納税と単体納税の有利・不利)
- 【第7回】 連結納税における『電子申告の義務化』と実務上の留意点(その1)
- 【第8回】 連結納税における『電子申告の義務化』と実務上の留意点(その2)
- 【第9回】 その他の税制改正
- 収益認識に関する会計基準への対応
- 組織再編税制に係る改正
- 特別事業再編を行う法人の株式を対価とする株式等の譲渡に係る所得の計算の特例の創設
- 外国子会社合算税制に係る『一定の株式譲渡益の適用対象金額からの控除の特例』
▷平成29年度税制改正(全9回)
※クリックすると表示されます
【第1回】 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し
はじめに
[1] 非特定連結子法人の時価評価資産の対象範囲の見直し
1 改正内容
2 『自己創設営業権』の評価問題が解消!
3 連結納税開始日・加入日が平成29年10月1日の場合は旧税制が適用に!
4 どうせ時価課税されるなら、合併で時価譲渡になる方がいいのか、スクイーズアウトで時価評価される方がいいのか?(時価課税の有利・不利)
【第2回】 スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大
[2] スクイーズアウトにおける特定連結子法人の範囲の拡大
1 改正内容
2 連結納税の不利益を受けずに少数株主排除が可能に!
3 連結納税開始日が平成29年10月1日以後であっても、株式交換等が平成29年9月30日以前に行われた場合は旧税制が適用される!
4 全部取得条項付種類株式方式又は株式併合方式により連結納税に加入した場合、「完全支配関係を有することとなった日」はいつになるのか?
[3] 研究開発税制の見直し
[4] 所得拡大促進税制の見直し
[5] 役員給与等の見直し
[6] 地域未来投資促進税制の創設
[7] 中小企業者向け設備投資促進税制の拡充
1 中小企業経営強化税制の創設
2 中小企業投資促進税制の見直しと適用期限の延長
3 商業・サービス業活性化税制の適用期限の延長
【第7回】 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限、災害特例措置
[8] 震災・災害に関する税制措置の整備
[9] 中小企業者向け租税特別措置の適用法人の制限
[10] 連結法人の申告期限の延長の見直し
1 法人税の申告期限の延長について
2 事業税の申告期限の延長について
[11] 地方税率の改正時期の変更
[12] 組織再編税制に係る改正
[13] タックス・ヘイブン税制の総合的見直し
▷平成28年度税制改正(全12回)
※クリックすると表示されます
~はじめに~
[1] 連結法人税、連結地方法人税、住民税、事業税の税率の改正
[2] 連結欠損金の繰越控除制度の見直し
[3] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し
[4] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し
[5] 減価償却制度の見直し
[6] 役員給与の見直し
[7] 雇用促進税制の見直し
[8] 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
[9] 適格現物出資の見直し
[10] 組織再編税制の見直し
[11] 移転価格文書化制度
1 多国籍企業グループの移転価格文書化制度
(1) 国別報告書
(2) マスターファイル(事業概況報告事項)
(3) ローカルファイル(独立企業間価格を算定するために必要と認められる書類)
2 国外事業所等との内部取引に係る移転価格文書化制度
【第11回】 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備
[12] 日台民間租税取決めに規定された内容の実施に係る国内法の整備
[13] 外国子会社合算税制(タックス・ヘイブン税制)の見直し
[14] 国際課税原則の帰属主義への変更の円滑な実施
[15] 機械装置の固定資産税の特例措置の創設
▷平成27年度税制改正(全12回)
※クリックすると表示されます
~はじめに~
[1] 連結法人税率の引下げ
[2] 連結欠損金の控除限度額の段階的引下げ
(1) 連結欠損金の控除限度額の段階的引き下げ
(2) 連結所得金額の100%を控除限度額とする特例
① 中小法人等
② 経営再建中の法人
③ 新設法人
[3] 連結欠損金の繰越期間の延長
[4] 事業税に係る繰越欠損金の繰越控除制度の見直し
[5] 控除対象個別帰属調整額及び控除対象個別帰属税額の繰越控除制度の見直し
[6] 連結納税適用法人に係る受取配当等の益金不算入制度の見直し
[7] 連結納税適用法人に係る研究開発税制の見直し
[8] 連結納税適用法人に係る地方拠点強化税制の創設
(1) 改正の概要
(2) 地方拠点建物等の取得費の特例措置
(3) 雇用促進税制の拡充
[9] 特定資産の買換えの場合の課税の特例の縮減・延長
【第10回】 所得拡大促進税制・その他の租税特別措置法上の見直し
[10] 連結納税適用法人に係る所得拡大促進税制の見直し
[11] その他の租税特別措置法上の見直し
[12] 連結納税適用法人に係る事業税の改正
[13] 連結納税適用法人に係る国際税務の改正
筆者紹介
足立 好幸
(あだち・よしゆき)
公認会計士・税理士
税理士法人トラスト
グループ通算制度・連結納税制度・組織再編税制を専門にグループ企業の税制最適化、企業グループ税制に係る業務を行う。
著書に、『令和6年10月改訂 プロフェッショナル グループ通算制度』『グループ通算制度への移行・採用の有利・不利とシミュレーション』『グループ法人税制Q&A』『M&A・組織再編のスキーム選択』(以上、清文社)、『グループ通算制度の実務Q&A』『グループ通算制度の税効果会計』『早わかり 連結納税制度の見直しQ&A-グループ通算制度の創設で何が変わる?』『ケーススタディでわかる連結納税申告書の作り方』『連結納税の組織再編税制ケーススタディ』『連結納税の清算課税ケーススタディ』『連結納税の欠損金Q&A』『連結納税導入プロジェクト』(以上、中央経済社)など多数。
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