計算書類作成に関する
“うっかりミス”の事例と防止策
【第42回】
「連結PLでよく起こる単純ミス」
公認会計士 石王丸 周夫
1 ここはミスが起こりやすい
計算書類にはうっかりミスがつきものです。
実際、こんなミスが起きています。
【事例42-1】
当期純利益数値の入力ミス。
(出所) キーウェアソリューションズ株式会社「第57回定時株主総会招集ご通知(訂正前のもの)」
【事例42-1】は、連結損益計算書のミス事例です。具体的には、連結損益計算書の下の方にある「当期純利益」の入力ミスです。
この事例の会社は、2022年5月27日に本事例を含む定時株主総会招集ご通知を公表し(招集通知の日付は2022年6月8日)、2022年6月16日付で当該誤記載の訂正を公表しています。
「556,045」を「566,045」と誤入力してしまったもので、明らかに単純なミスです。このような数字の並び順で入力ミスが起こる例は、本連載でもすでに紹介しています(【第22回】の【事例22-2】)。誰しも身に覚えがあることでしょう。
しかし、今回着目していただきたいのは、数字の並び順ではなく、ミスが起きた場所の方です。連結損益計算書の当期純利益であり、この場所はミスが起こりやすいと考えられるのです。
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