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空き家をめぐる法律問題 【事例2】「空き家で火災が起きた場合の法的責任」

筆者:羽柴 研吾

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空き家をめぐる法律問題

【事例2】

「空き家で火災が起きた場合の法的責任」

 

弁護士 羽柴 研吾

 

- 事 例 -

私は、現在、実家を離れて生活していますが、過去に相続した実家は昭和の頃に建築された木造瓦葺の家屋で、現在は空き家の状態になっております。

ある日、地元の消防団から連絡があり、実家が火事になっており、隣家に延焼しているとの連絡を受けました。無事消火できたものの、隣家にも延焼してしまいました。調査の結果、実家の居室からタバコとライターが発見され、火災の原因は、タバコの火の不始末と考えられるとのことでした。

近所の方に聞いた話によれば、実家の雨戸の一部が外れており、割れた窓ガラスから近所の不良少年たちが頻繁に出入りしていたとのことでした。隣家の方からは、空き家の管理を適切に行っていなかったことが原因だと責められています。

私は、実家に火災保険をかけていませんが、隣家の方に対してどのような責任を負うのでしょうか。

 

1 空き家と火災について

消防庁の平成29年版の消防白書によれば、建物火災発生件数が出火件数に占める割合は、全体の約6割に及んでいる。平成28年中の主な出火原因別の出火件数表を見ると、以下の出火原因が上位を占めている。

 放火・・・・・3,586件

 たばこ・・・・3,483件

 こんろ・・・・3,136件

 放火の疑い・・2,228件

空き家に関しては、所有者の管理が十分に行き届かないこともあり、不審者の侵入や放火の対象となるリスクが、管理者がいる居宅に比べて高い。

それでは、空き家の管理が行き届かなかったことが一因となって、第三者が空き家に侵入して火災を発生させ、隣家を延焼させた場合に、空き家の所有者は、隣家の所有者に対して、どのような法的責任を負うのだろうか。

本稿では、この点を若干検討することとしたい。

 

2 失火責任法に基づく損害賠償請求について

(1) 失火責任法とその趣旨

民法においては、故意又は過失によって第三者に損害を与えた者は、損害賠償責任を負うのが原則である(民法第709条)。これに対して、失火に関しては、同条の特別法として、失火ノ責任ニ関スル法律(以下「失火責任法」という)が定められている。


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筆者紹介

  • 羽柴 研吾

    (はしば・けんご)

    弁護士
    弁護士法人東町法律事務所(神戸事務所所属)

    企業法務、金融法務、自治体法務(固定資産税含む)を中心に一般個人案件にも従事。
    現在は、企業の事業承継問題、研究開発税制、不動産投資を含む空家対策問題に関心を寄せる。

    【略歴】
    京都府出身
    平成17年 立命館大学法学部卒業
    平成19年 立命館大学法科大学院修了、新司法試験合格
    平成20年 弁護士登録
    平成24年 仙台国税不服審判所(国税審判官)
    平成27年 東京国税不服審判所(国税審判官)
    平成28年 日弁連法務研究財団「国税不服審査制度に関する研究」研究員(現在)

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