空き家をめぐる法律問題 【事例24】「倒壊のおそれがある隣家の空き家問題」
筆者:羽柴 研吾
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空き家をめぐる法律問題
【事例24】
「倒壊のおそれがある隣家の空き家問題」
弁護士 羽柴 研吾
- 事 例 -
私は、地方に相続した建物を所有していますが、建物も古くなっていることや使い道もないことから、取り壊すことを考えています。ところが、実際に現地へ行ってみると、隣家の建物が傾いており、私の所有する建物に寄りかかっているような状態となっていました。
解体業者に相談したところ、私の所有する建物を取り壊そうとすると、支えを失って隣家が倒壊する可能性がある旨指摘を受けました。
このような場合に、どのようなことに注意して取壊しをすればよいですか。
なお、隣家は空き家となっており、誰が所有者か、現時点では分かっていません。
1 はじめに
建物の所有者が建物(以下「自己所有建物」という)を取り壊そうとしたところ、近接する隣家が傾いて寄りかかっている等の事情のために、取り壊すことに支障があるような事例が見受けられる。
現に、筆者の事務所所在地においても、市内中心部においては、このような状態の物件が散見されており、今後、全国においてもこのような事象が増えていく可能性があるように思われる。
そこで、今回は、自己所有建物を取り壊そうとする場合に、隣地に倒壊の危険性のある空き家の法律問題について検討することにしたい。
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連載目次
空き家をめぐる法律問題
- 【事例1】 立木の侵入や擁壁の崩壊等した場合の法的責任 ★無料公開中★
- 【事例2】 空き家で火災が起きた場合の法的責任
- 【事例3】 地震が発生した場合の空き家の管理責任
- 【事例4】 空き家の管理に関する行政上の責任
- 【事例5】 空き家の相続放棄に関する問題
- 【事例6】 相続放棄の熟慮期間に関する問題
- 【事例7】 空き家を相続させる旨の遺言と放棄の可否
- 【事例8】 共同相続した空き家の管理・費用に関する問題
- 【事例9】 空き家の相続登記に関する問題
- 【事例10】 空き家の所有者が行方不明の場合の遺産分割協議
- 【事例11】 成年被後見人が所有する空き家の処分問題
- 【事例12】 空き家となった借家契約を終了させる場合の留意点
- 【事例13】 土地の所有者が借地上の建物を取り壊す場合の方法
- 【事例14】 長屋が空き家になった場合の諸問題
- 【事例15】 マンション空き家と滞納管理費に関する諸問題
- 【事例16】 空き家の管理を事業者へ委託する場合の留意点
- 【事例17】 台風・強風によって空き家の屋根瓦等が飛散した場合の法的責任
- 【事例18】 空き家で火災が生じた場合の火災保険金の支払いの有無
- 【事例19】 廃棄物が不法投棄された空き家・空き地の所有者の法的責任
- 【事例20】 民泊施設として空き家の管理を委託する場合の留意点
- 【事例21】 空き家を民泊施設として利用する場合の法的責任
- 【事例22】 マンションが空き家の場合の法的責任と対応-水漏れ事故の場合-
- 【事例23】 借地権付マンションの借地料と支払義務の法的性質
- 【事例24】 倒壊のおそれがある隣家の空き家問題
- 【事例25】 隣接する空き家から雨水が流入してくる場合の諸問題
- 【事例26】 空き家と祭祀承継財産を承継する際の留意点
- 【事例27】 信託を利用した空き家の発生予防策
- 【事例28】 空き家を売却するために信託を利用する方法
- 【事例29】 破産手続と空き家の管理責任
- 【事例30】 借家人が行方不明の空き家の残置物件の処理
筆者紹介
羽柴 研吾
(はしば・けんご)
企業法務、金融法務、自治体法務(固定資産税含む)を中心に一般個人案件にも従事。
現在は、企業の事業承継問題、研究開発税制、不動産投資を含む空家対策問題に関心を寄せる。【略歴】
京都府出身
平成17年 立命館大学法学部卒業
平成19年 立命館大学法科大学院修了、新司法試験合格
平成20年 弁護士登録
平成24年 仙台国税不服審判所(国税審判官)
平成27年 東京国税不服審判所(国税審判官)
平成28年 日弁連法務研究財団「国税不服審査制度に関する研究」研究員
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