M&Aに必要な
デューデリジェンスの基本と実務
-法務編-
弁護士法人ほくと総合法律事務所
弁護士 又吉 重樹
本連載では、法務デューデリジェンスにおいて弁護士が具体的に何をどう調査しているのかを、調査項目ごとに詳述している。今回はその第3章として、「業務関連主要契約」項目を取り上げる。
《第3章》
-業務関連主要契約-
【第3回】
「業務関連主要契約の調査」
はじめに
買収者は、「買収後に自らが企図する経済的効果を実現できるか」という観点から、対象会社が買収後も買収前と同様に事業を維持できるか否かに関心を持つことが多い。
「業務関連主要契約」項目においては、かかる関心事に応えるべく、個々の契約を精査していくこととなる。他方、通常、対象会社は、事業活動のために多数の契約を締結しているため、時間・コストとの兼ね合いから、いかなる範囲の契約をいかなる深度で精査すべきか、判断に悩む場合も少なくないと思われる。
そこで、本稿では、「業務関連主要契約」における一般的な精査対象資料及び調査手続を概観したうえで、調査資料の範囲・深度の特定・限定について一案を紹介することとしたい。
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