空き家をめぐる法律問題
【事例19】
「廃棄物が不法投棄された空き家・空き地の所有者の法的責任」
弁護士 羽柴 研吾
- 事 例 -
私Aは、B市に空き家となった実家を所有しています。このたび隣地の所有者Cから、実家の庭に投棄されていた廃棄物が崩れて隣地(C宅地)に侵入し、植栽等を損壊させているので撤去するよう連絡を受けました。
実家には数年戻っておらず、何者かによって不法投棄がされていることを初めて知りましたが、不法投棄をしていない私が法的責任を負わなければならないのでしょか。
1 はじめに
空き家や空き地の管理を放置すると、敷地内に廃棄物を不法投棄される可能性がある。廃棄物の放置は、景観面や衛生面への悪影響だけでなく、隣地への流出や放火等、第三者に具体的な損害を与える可能性がある。
そこで今回は、空き家や空き地に廃棄物が投棄された場合に、空き家や空き地の所有者が民事・行政上、どのような法的責任を負うかを検討することとしたい。
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