公開日: 2018/02/08 (掲載号:No.255)
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〔平成30年3月期〕決算・申告にあたっての税務上の留意点 【第3回】「「所得拡大促進税制の見直し」及び「中小企業向け租税特別措置の適用制限」」

筆者: 新名 貴則

〔平成30年3月期〕
決算・申告にあたっての税務上の留意点

【第3回】

「「所得拡大促進税制の見直し」及び

「中小企業向け租税特別措置の適用制限」」

 

公認会計士・税理士 新名 貴則

 

平成29年度税制改正における改正事項を中心として、平成30年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第2回】は、研究開発税制の見直し、及び特定資産の買換え特例の見直しと適用期限延長について解説した。

【第3回】は、所得拡大促進税制の見直し、及び、中小企業向け租税特別措置の適用制限について、平成30年3月期決算申告において留意すべき点を解説する。

 

1 所得拡大促進税制の見直し

所得拡大促進税制とは、青色申告書を提出している法人が給与等支給額を一定以上増加させた場合に、その増加額の一定割合について税額控除が認められる制度である。ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が控除限度額となる。

当該税制を適用するためには、給与等支給額の増加に関する3要件を全て満たす必要があるが、このうち平均給与等支給額の要件が、平成29年度税制改正により見直されている。

▷改正のポイント

① 要件の見直し

平成29年度税制改正前は、当事業年度の平均給与等支給額が、前事業年度の平均給与等支給額以上であることが要件であった。これが改正により、中小企業者等以外の法人については、前事業年度と比較して2%以上増加していることが必要とされた。ただし、控除税額が上乗せされる。

中小企業者等については改正後も変更はないが、平均給与等支給額が前事業年度と比較して2%以上増加している場合は、控除税額が上乗せされることになった。

この改正は平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用されるため、平成30年3月期には適用されることになる。

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〔平成30年3月期〕
決算・申告にあたっての税務上の留意点

【第3回】

「「所得拡大促進税制の見直し」及び

「中小企業向け租税特別措置の適用制限」」

 

公認会計士・税理士 新名 貴則

 

平成29年度税制改正における改正事項を中心として、平成30年3月期の決算・申告においては、いくつか留意すべき点がある。【第2回】は、研究開発税制の見直し、及び特定資産の買換え特例の見直しと適用期限延長について解説した。

【第3回】は、所得拡大促進税制の見直し、及び、中小企業向け租税特別措置の適用制限について、平成30年3月期決算申告において留意すべき点を解説する。

 

1 所得拡大促進税制の見直し

所得拡大促進税制とは、青色申告書を提出している法人が給与等支給額を一定以上増加させた場合に、その増加額の一定割合について税額控除が認められる制度である。ただし、当期の法人税額の10%(中小企業者等については20%)が控除限度額となる。

当該税制を適用するためには、給与等支給額の増加に関する3要件を全て満たす必要があるが、このうち平均給与等支給額の要件が、平成29年度税制改正により見直されている。

▷改正のポイント

① 要件の見直し

平成29年度税制改正前は、当事業年度の平均給与等支給額が、前事業年度の平均給与等支給額以上であることが要件であった。これが改正により、中小企業者等以外の法人については、前事業年度と比較して2%以上増加していることが必要とされた。ただし、控除税額が上乗せされる。

中小企業者等については改正後も変更はないが、平均給与等支給額が前事業年度と比較して2%以上増加している場合は、控除税額が上乗せされることになった。

この改正は平成29年4月1日以後に開始する事業年度から適用されるため、平成30年3月期には適用されることになる。

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連載目次

筆者紹介

新名 貴則

(しんみょう・たかのり)

公認会計士・税理士

京都大学経済学部卒。愛媛県松山市出身。
朝日監査法人(現:有限責任あずさ監査法人)にて、主に会計監査と内部統制構築に従事。
日本マネジメント税理士法人にて、個人商店から上場企業まで幅広く顧問先を担当。またM&Aや監査法人対応などのアドバイスも行う。
平成24年10月1日より新名公認会計士・税理士事務所代表。

【著書】
・『新版 退職金をめぐる税務』(清文社)
・『Q&Aでわかる 監査法人対応のコツ』
・『現場の疑問に答える 税効果会計の基本Q&A』
・『148の事例から見た是否認事項の判断ポイント』(共著)
・『消費税申告の実務』(共著)
(以上、税務経理協会)

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