公開日: 2018/03/29 (掲載号:No.262)
文字サイズ

〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方 【第24回】「別表14(4) 新株予約権に関する明細書」

筆者: 菊地 康夫

〈事例で学ぶ〉
法人税申告書の書き方

【第24回】

「別表14(4) 新株予約権に関する明細書」

 

公認会計士・税理士
菊地 康夫

 

Ⅰ はじめに

本稿では、法人税申告書のうち、税制改正により変更もしくは新たに追加となった様式、実務書籍への掲載頻度が低い様式等を中心に、簡素な事例をもとに記載例と書き方のポイントを解説していく。

第24回目は、いわゆるストック・オプションを採用する企業が最近増えてきているため、「別表14(4) 新株予約権に関する明細書」を採り上げる。

 

Ⅱ 概要

この別表は、個人に法人税法第54条の2第1項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する新株予約権が交付されている場合に、同項の役務の提供を受ける法人が記載する。

本制度は、いわゆるストック・オプションと呼ばれているものであり、企業会計上は、「ストック・オプション等に関する会計基準」及び「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(平成17年12月27日、企業会計基準委員会)等に基づいて処理される。

すなわち、企業がストック・オプションを付与し、これに応じて従業員等から取得するサービスは、権利確定日まではその取得に応じて費用として計上し、対応する金額をストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまでの間、貸借対照表の純資産の部に「新株予約権」として計上する。権利行使がなされたら、新株予約権として計上した金額のうち、その権利行使に対応する部分を払込資本に振り替えることになる。

一方、税務では、新株予約権者の所得税法上の課税は、権利行使時に払込額と取得した株式の時価との差額を給与所得等として課税されることを原則としつつ、いわゆる税制適格ストック・オプション(措法29の2)に該当するものについては、付与時及び権利行使時には課税されず、権利行使により取得した株式を譲渡した時に譲渡所得として課税されることになる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〈事例で学ぶ〉
法人税申告書の書き方

【第24回】

「別表14(4) 新株予約権に関する明細書」

 

公認会計士・税理士
菊地 康夫

 

Ⅰ はじめに

本稿では、法人税申告書のうち、税制改正により変更もしくは新たに追加となった様式、実務書籍への掲載頻度が低い様式等を中心に、簡素な事例をもとに記載例と書き方のポイントを解説していく。

第24回目は、いわゆるストック・オプションを採用する企業が最近増えてきているため、「別表14(4) 新株予約権に関する明細書」を採り上げる。

 

Ⅱ 概要

この別表は、個人に法人税法第54条の2第1項(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)に規定する新株予約権が交付されている場合に、同項の役務の提供を受ける法人が記載する。

本制度は、いわゆるストック・オプションと呼ばれているものであり、企業会計上は、「ストック・オプション等に関する会計基準」及び「ストック・オプション等に関する会計基準の適用指針」(平成17年12月27日、企業会計基準委員会)等に基づいて処理される。

すなわち、企業がストック・オプションを付与し、これに応じて従業員等から取得するサービスは、権利確定日まではその取得に応じて費用として計上し、対応する金額をストック・オプションの権利の行使又は失効が確定するまでの間、貸借対照表の純資産の部に「新株予約権」として計上する。権利行使がなされたら、新株予約権として計上した金額のうち、その権利行使に対応する部分を払込資本に振り替えることになる。

一方、税務では、新株予約権者の所得税法上の課税は、権利行使時に払込額と取得した株式の時価との差額を給与所得等として課税されることを原則としつつ、いわゆる税制適格ストック・オプション(措法29の2)に該当するものについては、付与時及び権利行使時には課税されず、権利行使により取得した株式を譲渡した時に譲渡所得として課税されることになる。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

〈事例で学ぶ〉法人税申告書の書き方

第1回~第30回 ※クリックするとご覧いただけます。

第31回~

筆者紹介

菊地 康夫

(きくち・やすお)

公認会計士・税理士

平成6年、公認会計士2次試験合格。平成12年、税理士登録。
これまで上場会社等の会計監査業務から中小企業・個人事業者の税務顧問、決算書の分析をもとにした経営診断・コンサルティング業務、セミナー講師など幅広い業務に従事。

【主な著作】
『記載例でわかる法人税申告書 プロの読み方・作り方』(清文社)
『決算書の数字から見える 経営判断のヒント』(清文社)
ほか

関連書籍

法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

【電子書籍版】税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 菊地 弘 著 公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

重点解説 法人税申告の実務

公認会計士・税理士 鈴木基史 著

新・くらしの税金百科 2024→2025

公益財団法人 納税協会連合会 編

税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 菊地 弘 著 公認会計士・税理士 井村 奨 著 税理士 山口光晴 著 特定社会保険労務士 佐竹康男 著 特定社会保険労務士 井村佐都美 著

令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【電子書籍版】令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

【紙書籍+電子[1ID]セット版】令和6年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

演習法人税法

公益社団法人 全国経理教育協会 編

【電子書籍版】第6版 法人税別表4、5(一)(二)書き方完全マスター

プロフェッションネットワーク/ 公認会計士・税理士 伊原 健人 共著

【電子書籍版】法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

第6版 法人税別表4、5(一)(二)書き方完全マスター

プロフェッションネットワーク/ 公認会計士・税理士 伊原 健人 共著

現場で使える「会計上の見積り」の実務

中野雄介 監修 日本公認会計士協会 京滋会 編著

法人税申告書と決算書の作成手順

税理士 杉田宗久 共著 税理士 岡野敏明 共著

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#