公開日: 2023/09/07 (掲載号:No.534)
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〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第9回】「国税通則法第68条第1項の重加算税が賦課される「納税者」の範囲」

筆者: 大橋 誠一

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第9回】

「国税通則法第68条第1項の重加算税が賦課される「納税者」の範囲」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 札幌国税不服審判所令和元年6月20日裁決(TAINSコード:J115-1-01)

(1) 事実関係の概要

 専務取締役は株式会社である審査請求人(請求人)に採用され、課長、部長、常務取締役を経て現職に就いている。

 専務取締役は、その知人の経営する会社に架空の請求書を発行させること及び請求人の外注先に代金を水増しした請求書を発行させることにより、請求人の経理担当者に当該請求額が正規の請求額であると誤信させて支払処理をさせる方法により、請求人から各取引先を経由して各金員(本件各金員)を詐取した。

 請求人は、本件各金員を損金の額に算入して(課税仕入れの支払い対価の額に含めて)法人税等及び消費税等の申告をした。

 請求人は、税務調査を受け、損金の額(課税仕入れの支払い対価の額)から本件各金員を減額して修正申告をした。

 原処分庁は重加算税の賦課決定処分をして、請求人は過少申告加算税を超える部分を不服として審査請求した。

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税法上不確定概念具体的判断基準

【第9回】

「国税通則法第68条第1項の重加算税が賦課される「納税者」の範囲」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 札幌国税不服審判所令和元年6月20日裁決(TAINSコード:J115-1-01)

(1) 事実関係の概要

 専務取締役は株式会社である審査請求人(請求人)に採用され、課長、部長、常務取締役を経て現職に就いている。

 専務取締役は、その知人の経営する会社に架空の請求書を発行させること及び請求人の外注先に代金を水増しした請求書を発行させることにより、請求人の経理担当者に当該請求額が正規の請求額であると誤信させて支払処理をさせる方法により、請求人から各取引先を経由して各金員(本件各金員)を詐取した。

 請求人は、本件各金員を損金の額に算入して(課税仕入れの支払い対価の額に含めて)法人税等及び消費税等の申告をした。

 請求人は、税務調査を受け、損金の額(課税仕入れの支払い対価の額)から本件各金員を減額して修正申告をした。

 原処分庁は重加算税の賦課決定処分をして、請求人は過少申告加算税を超える部分を不服として審査請求した。

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連載目次

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税法上不確定概念具体的判断基準

【参考記事】
「〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務」(全20回)

筆者紹介

大橋 誠一

(おおはし・せいいち)

公認会計士(平成16年第二次試験合格)・税理士(平成7年5科目合格)。

有限責任監査法人トーマツ・デロイトトーマツ税理士法人を経て、平成26年から大阪国税不服審判所国税審判官として相続税等の審査請求事件の調査・審理に従事。
退官後、相続税専門の税理士法人チェスター審査部部長を経て、現在は不服申立代理人業務・相続税を中心とした審理業務(提出前の相続税申告書の審査件数は年間300件を超える)、弁護士等と協働した相続対策業務、執筆業務等に従事している。

【著書】
相続専門税理士法人が実践する 相続税申告書最終チェックの視点』(共著 清文社)
 

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