公開日: 2023/10/05 (掲載号:No.538)
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〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第10回】「所得税基本通達2-47に定める「生計を一にする」の判定」

筆者: 大橋 誠一

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第10回】

「所得税基本通達2-47に定める「生計を一にする」の判定」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成27年11月4日裁決

(1) 事実関係の概要

 審査請求人(請求人)は、平成23年8月に死亡した被相続人の子であり唯一の相続人である。

 被相続人は昭和24年にA市B区C丁目24番25に住所を定め、以後、死亡まで住民票上の住所に異動はなかった。

 請求人及び被相続人は平成4年12月までは、被相続人の居宅に同居していたが、請求人は同日A市C区内に転居し、他方、被相続人は同日以降も引き続き同人の居宅に単身で居住した。

 請求人は、平成8年7月、被相続人の配偶者の死亡により相続(持分2分の1・他の2分の1は被相続人が相続)したA市B区C丁目21番3の宅地(本件宅地)上に居宅を建築し、同地に住所を定め、以後、被相続人の相続開始日まで住所に異動はなかった。

 被相続人の相続税申告において、請求人が取得した本件宅地の被相続人持分につき、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)を適用した。

 原処分庁は、請求人に小規模宅地等の特例の適用はない等の理由により更正処分をした。

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〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第10回】

「所得税基本通達2-47に定める「生計を一にする」の判定」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成27年11月4日裁決

(1) 事実関係の概要

 審査請求人(請求人)は、平成23年8月に死亡した被相続人の子であり唯一の相続人である。

 被相続人は昭和24年にA市B区C丁目24番25に住所を定め、以後、死亡まで住民票上の住所に異動はなかった。

 請求人及び被相続人は平成4年12月までは、被相続人の居宅に同居していたが、請求人は同日A市C区内に転居し、他方、被相続人は同日以降も引き続き同人の居宅に単身で居住した。

 請求人は、平成8年7月、被相続人の配偶者の死亡により相続(持分2分の1・他の2分の1は被相続人が相続)したA市B区C丁目21番3の宅地(本件宅地)上に居宅を建築し、同地に住所を定め、以後、被相続人の相続開始日まで住所に異動はなかった。

 被相続人の相続税申告において、請求人が取得した本件宅地の被相続人持分につき、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)を適用した。

 原処分庁は、請求人に小規模宅地等の特例の適用はない等の理由により更正処分をした。

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連載目次

〈事例から理解する〉
税法上不確定概念具体的判断基準

【参考記事】
「〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務」(全20回)

筆者紹介

大橋 誠一

(おおはし・せいいち)

公認会計士(平成16年第二次試験合格)・税理士(平成7年5科目合格)。

有限責任監査法人トーマツ・デロイトトーマツ税理士法人を経て、平成26年から大阪国税不服審判所国税審判官として相続税等の審査請求事件の調査・審理に従事。
退官後、相続税専門の税理士法人チェスター審査部部長を経て、現在は不服申立代理人業務・相続税を中心とした審理業務(提出前の相続税申告書の審査件数は年間300件を超える)、弁護士等と協働した相続対策業務、執筆業務等に従事している。

【著書】
相続専門税理士法人が実践する 相続税申告書最終チェックの視点』(共著 清文社)
 

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