公開日: 2024/07/04 (掲載号:No.576)
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〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第19回】「税務上「錯誤無効」が許容される余地はあるか」

筆者: 大橋 誠一

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第19回】

「税務上「錯誤無効」が許容される余地はあるか」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成29年2月21日裁決(TAINSコード:F0-2-712)

(1) 事実関係の概要

 監督官庁の許認可を要する法人である審査請求人(請求人)は、株式会社A(A社)を分社型分割により新たに設立し、請求人の純資産額(資本金等の額1,000万円+利益積立金額3億7,300万円)の85%に当たる資産(3億2,600万円)をA社に承継し、その対価としてA社からA社普通株式200株の発行を受けた。

 請求人と請求人代表者の弟であるBは、請求人が有するA社株式200株をBに譲渡し、その対価として、Bが有する請求人の普通株式170株を請求人が譲り受ける旨の株式譲渡契約(本件譲渡契約)を締結した。

 原処分庁は、本件譲渡契約に基づきBが請求人からA社株式の譲渡を受けたことは、いわゆるみなし配当の対象になるとして、源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分をした。

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税法上不確定概念具体的判断基準

【第19回】

「税務上「錯誤無効」が許容される余地はあるか」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成29年2月21日裁決(TAINSコード:F0-2-712)

(1) 事実関係の概要

 監督官庁の許認可を要する法人である審査請求人(請求人)は、株式会社A(A社)を分社型分割により新たに設立し、請求人の純資産額(資本金等の額1,000万円+利益積立金額3億7,300万円)の85%に当たる資産(3億2,600万円)をA社に承継し、その対価としてA社からA社普通株式200株の発行を受けた。

 請求人と請求人代表者の弟であるBは、請求人が有するA社株式200株をBに譲渡し、その対価として、Bが有する請求人の普通株式170株を請求人が譲り受ける旨の株式譲渡契約(本件譲渡契約)を締結した。

 原処分庁は、本件譲渡契約に基づきBが請求人からA社株式の譲渡を受けたことは、いわゆるみなし配当の対象になるとして、源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分をした。

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連載目次

〈事例から理解する〉
税法上不確定概念具体的判断基準

【参考記事】
「〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務」(全20回)

筆者紹介

大橋 誠一

(おおはし・せいいち)

公認会計士(平成16年第二次試験合格)・税理士(平成7年5科目合格)。

有限責任監査法人トーマツ・デロイトトーマツ税理士法人を経て、平成26年から大阪国税不服審判所国税審判官として相続税等の審査請求事件の調査・審理に従事。
退官後、相続税専門の税理士法人チェスター審査部部長を経て、現在は不服申立代理人業務・相続税を中心とした審理業務(提出前の相続税申告書の審査件数は年間300件を超える)、弁護士等と協働した相続対策業務、執筆業務等に従事している。

【著書】
相続専門税理士法人が実践する 相続税申告書最終チェックの視点』(共著 清文社)
 

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