〈事例から理解する〉
税法上の不確定概念の具体的な判断基準
【第13回】
「国税通則法第63条の延滞税の取消しの主張は認容されるか」
公認会計士・税理士 大橋 誠一
1 大阪国税不服審判所平成26年9月5日裁決
(1) 事実関係の概要
① 被相続人の相続人は配偶者、子であるA(請求人)及びBの3名であるが、法定申告期限までに遺産分割協議が整わず、関与税理士から入手した相続税申告書は第1表のみであった。
② 請求人は第1表と納税用の現金を持って原処分庁の総合受付を訪れ、申告書を提出したい旨を伝えたところ、担当職員に「これでは受け付けられない」旨を告げられ、「他の相続人の申告書と照合してほしい」と尋ねたが、「これだけでは無理で、受付はするが受理はできない」とも告げられた。
③ 1度その場を辞去し、「受付はできるのならしてもらおう」と再度訪れると、別の担当職員に簡単に受け付けされたため、「後で照合ができて受理した旨の連絡が税務署からあるのだろう。受理したという連絡をもらってから納付しても延滞税はかからないだろう」と考えた。
④ 原処分庁は、法定納期限を経過した後も相続税が完納されていないとして、相続税と延滞税の督促処分を行った。
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