公開日: 2024/02/01 (掲載号:No.554)
文字サイズ

〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第14回】「財産評価基本通達第26項(2)(注)2の「一時的に賃貸されていなかった」の具体的期間」

筆者: 大橋 誠一

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第14回】

「財産評価基本通達第26項(2)(注)2の「一時的に賃貸されていなかった」の具体的期間」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成27年11月11日裁決(TAINSコード:F0-3-523)

(1) 事実関係の概要

 平成24年6月に死亡した被相続人は共同住宅を2棟所有し、本件家屋1については12室(うち1室は被相続人が居住)、本件家屋2については21室で構成されている。

 相続開始日現在においての空室は、本件家屋1については2室で、平成25年12月31日までの空室期間はそれぞれ「1年10ヶ月15日」と「1年4ヶ月5日」、本件家屋2については5室で、同じく「1年5ヶ月」と「1年8ヶ月」と「3ヶ月9日」と「11ヶ月29日」と「5ヶ月26日」であった。

 審査請求人(請求人)は、本件家屋1については被相続人居住部分を除く11室全て、本件家屋2については21室全てについて、それぞれ賃貸の用に供されているとして、財産評価基本通達(評価通達)第26項の貸家建付地及び同第93項の貸家として評価減をした上で相続税の当初申告を行った。

 原処分庁は、上記の各空室については貸家建付地及び貸家の評価減はできないとして更正処分等を行った。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第14回】

「財産評価基本通達第26項(2)(注)2の「一時的に賃貸されていなかった」の具体的期間」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成27年11月11日裁決(TAINSコード:F0-3-523)

(1) 事実関係の概要

 平成24年6月に死亡した被相続人は共同住宅を2棟所有し、本件家屋1については12室(うち1室は被相続人が居住)、本件家屋2については21室で構成されている。

 相続開始日現在においての空室は、本件家屋1については2室で、平成25年12月31日までの空室期間はそれぞれ「1年10ヶ月15日」と「1年4ヶ月5日」、本件家屋2については5室で、同じく「1年5ヶ月」と「1年8ヶ月」と「3ヶ月9日」と「11ヶ月29日」と「5ヶ月26日」であった。

 審査請求人(請求人)は、本件家屋1については被相続人居住部分を除く11室全て、本件家屋2については21室全てについて、それぞれ賃貸の用に供されているとして、財産評価基本通達(評価通達)第26項の貸家建付地及び同第93項の貸家として評価減をした上で相続税の当初申告を行った。

 原処分庁は、上記の各空室については貸家建付地及び貸家の評価減はできないとして更正処分等を行った。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

〈事例から理解する〉
税法上不確定概念具体的判断基準

【参考記事】
「〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務」(全20回)

筆者紹介

大橋 誠一

(おおはし・せいいち)

公認会計士(平成16年第二次試験合格)・税理士(平成7年5科目合格)。

有限責任監査法人トーマツ・デロイトトーマツ税理士法人を経て、平成26年から大阪国税不服審判所国税審判官として相続税等の審査請求事件の調査・審理に従事。
退官後、相続税専門の税理士法人チェスター審査部部長を経て、現在は不服申立代理人業務・相続税を中心とした審理業務(提出前の相続税申告書の審査件数は年間300件を超える)、弁護士等と協働した相続対策業務、執筆業務等に従事している。

【著書】
相続専門税理士法人が実践する 相続税申告書最終チェックの視点』(共著 清文社)
 

関連書籍

相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

相続税実務の“鉄則”に従ってはいけないケースと留意点

中島孝一 著 西野道之助 著 飯田昭雄 著 佐々木京子 著 高野雅之 著 若山寿裕 著 佐久間美亜 著

図解でわかる 不動産オーナーの相続対策

税理士 今仲 清 著 税理士 坪多晶子 著

相続登記の全実務

司法書士 田口真一郎 著      黒川 龍  著

新・くらしの税金百科 2024→2025

公益財団法人 納税協会連合会 編

民法・税法2つの視点で見る贈与

弁護士法人ピクト法律事務所 代表弁護士 永吉啓一郎 著

信託法務大全 第2編

田中和明 編著 小出卓哉 編著 及川富美子 著 齋藤 崇 著 佐久間 亨 著 冨田雄介 著 畠山久志 著 松田和之 著 森田豪丈 著

【電子書籍版】相続税・贈与税取扱いの手引

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

事例で解説 法人税の損金経理

税理士 安部和彦 著

〇×判定ですぐわかる資産税の実務

公益財団法人 納税協会連合会 編集部 編

税法基本判例 Ⅰ

谷口勢津夫 著

STEP式 相続税申告書の作成手順

税理士 石原健次 監修 税理士 松田昭久 共著 税理士 榮村聡二 共著 税理士 上西由香 共著 税理士 西田 豊 共著

社長!税務調査の事前対策してますか

公認会計士・税理士 清原裕平 著

中小企業の運営・承継における理論と実務 ファミリービジネスは日本を救う

大阪弁護士会・日本公認会計士協会近畿会・ファミリービジネス研究会 著

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#