〈Q&A〉
印紙税の取扱いをめぐる事例解説
【第83回】
「印紙税法第14条《過誤納の確認等》に規定する確認を
受けることができるか争われた事例(平成12年1月26日裁決)」
税理士・行政書士・AFP
山端 美德
【問】
〔概要〕
請求人が納付した「金銭消費貸借契約証書」と称する文書に係る印紙税について、借入が実行前に中止になり契約として成立していないことから、課税文書に該当せず、印紙税の納税義務は生じないとして、請求人は印紙税過誤納確認申請書を原処分庁に提出した。
しかし、原処分庁はあらかじめ当事者間に意思表示の合致があり、請求人が署名押印し銀行に差し入れた時にその納税義務は既に成立しているため、過誤納の確認をしないことの通知処分を行った。これに対し、請求人が、同処分の全部の取消しを求めた事案である。
《争点》
① 金銭消費貸借契約証書の日付等は未記入で、借入の実行前に中止されたものは課税文書に該当するか。
② 金銭消費貸借契約の内容が実行されなくなったことは、過誤納の請求範囲の「使用する見込みのなくなった場合」に該当するか。
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