〈事例から理解する〉
税法上の不確定概念の具体的な判断基準
【第17回】
「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」
公認会計士・税理士 大橋 誠一
1 大阪国税不服審判所平成28年7月25日裁決(TAINSコード:F0-3-499)
(1) 事実関係の概要
① 被相続人は、平成17年9月に、株式会社Aに対し、期限の定めなく利息年6%の約定で5,000万円を貸し付け(本件貸付金)、Aの代表取締役及び関係者1名は、被相続人に対し、本件貸付金の連帯保証をした。
② 被相続人は平成23年8月に死亡し、相続人は兄弟姉妹4名(請求人ら)である。
③ 請求人らは、平成23年9月に、A及び連帯保証人に対し、本件貸付金の返還(保証債務の履行)及び経過利息の支払を請求したが履行されなかったため、平成23年11月に、A及び連帯保証人を被告として、連帯支払を求める訴えを提起した。
④ 請求人らは、平成24年6月の法定申告期限までに相続税の申告をしたが、本件貸付金債権及び未収利息は計上しなかった。
⑤ 請求人らとA及び連帯保証人は、平成24年7月に、1,000万円を分割にて受け取りその余の請求を放棄する旨の和解が成立した。
⑥ 請求人らは、平成24年12月に、本件貸付金の価額を1,000万円と評価して修正申告した。
⑦ 請求人らは、原処分庁所属の調査担当職員による調査を受け、本件貸付金以外の項目について、平成27年3月に修正申告したが、原処分庁は、平成27年4月に、本件貸付金の価額は元本5,000万円と経過利息1,765万4,793円の計6,765万4,793円と評価すべきであるとして更正処分等をした。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。