公開日: 2024/05/02 (掲載号:No.567)
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〈事例から理解する〉税法上の不確定概念の具体的な判断基準 【第17回】「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」

筆者: 大橋 誠一

〈事例から理解する〉

税法上不確定概念具体的判断基準

【第17回】

「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成28年7月25日裁決(TAINSコード:F0-3-499)

(1) 事実関係の概要

 被相続人は、平成17年9月に、株式会社Aに対し、期限の定めなく利息年6%の約定で5,000万円を貸し付け(本件貸付金)、Aの代表取締役及び関係者1名は、被相続人に対し、本件貸付金の連帯保証をした。

 被相続人は平成23年8月に死亡し、相続人は兄弟姉妹4名(請求人ら)である。

 請求人らは、平成23年9月に、A及び連帯保証人に対し、本件貸付金の返還(保証債務の履行)及び経過利息の支払を請求したが履行されなかったため、平成23年11月に、A及び連帯保証人を被告として、連帯支払を求める訴えを提起した。

 請求人らは、平成24年6月の法定申告期限までに相続税の申告をしたが、本件貸付金債権及び未収利息は計上しなかった。

 請求人らとA及び連帯保証人は、平成24年7月に、1,000万円を分割にて受け取りその余の請求を放棄する旨の和解が成立した。

 請求人らは、平成24年12月に、本件貸付金の価額を1,000万円と評価して修正申告した。

 請求人らは、原処分庁所属の調査担当職員による調査を受け、本件貸付金以外の項目について、平成27年3月に修正申告したが、原処分庁は、平成27年4月に、本件貸付金の価額は元本5,000万円と経過利息1,765万4,793円の計6,765万4,793円と評価すべきであるとして更正処分等をした。

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【第17回】

「財産評価基本通達205項柱書の「その他その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」とは」

 

公認会計士・税理士 大橋 誠一

 

1 大阪国税不服審判所平成28年7月25日裁決(TAINSコード:F0-3-499)

(1) 事実関係の概要

 被相続人は、平成17年9月に、株式会社Aに対し、期限の定めなく利息年6%の約定で5,000万円を貸し付け(本件貸付金)、Aの代表取締役及び関係者1名は、被相続人に対し、本件貸付金の連帯保証をした。

 被相続人は平成23年8月に死亡し、相続人は兄弟姉妹4名(請求人ら)である。

 請求人らは、平成23年9月に、A及び連帯保証人に対し、本件貸付金の返還(保証債務の履行)及び経過利息の支払を請求したが履行されなかったため、平成23年11月に、A及び連帯保証人を被告として、連帯支払を求める訴えを提起した。

 請求人らは、平成24年6月の法定申告期限までに相続税の申告をしたが、本件貸付金債権及び未収利息は計上しなかった。

 請求人らとA及び連帯保証人は、平成24年7月に、1,000万円を分割にて受け取りその余の請求を放棄する旨の和解が成立した。

 請求人らは、平成24年12月に、本件貸付金の価額を1,000万円と評価して修正申告した。

 請求人らは、原処分庁所属の調査担当職員による調査を受け、本件貸付金以外の項目について、平成27年3月に修正申告したが、原処分庁は、平成27年4月に、本件貸付金の価額は元本5,000万円と経過利息1,765万4,793円の計6,765万4,793円と評価すべきであるとして更正処分等をした。

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連載目次

〈事例から理解する〉
税法上不確定概念具体的判断基準

【参考記事】
「〔顧問先を税務トラブルから救う〕不服申立ての実務」(全20回)

筆者紹介

大橋 誠一

(おおはし・せいいち)

公認会計士(平成16年第二次試験合格)・税理士(平成7年5科目合格)。

有限責任監査法人トーマツ・デロイトトーマツ税理士法人を経て、平成26年から大阪国税不服審判所国税審判官として相続税等の審査請求事件の調査・審理に従事。
退官後、相続税専門の税理士法人チェスター審査部部長を経て、現在は不服申立代理人業務・相続税を中心とした審理業務(提出前の相続税申告書の審査件数は年間300件を超える)、弁護士等と協働した相続対策業務、執筆業務等に従事している。

【著書】
相続専門税理士法人が実践する 相続税申告書最終チェックの視点』(共著 清文社)
 

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