租税争訟レポート
【第52回】
「課税仕入れの計上時期(第一審:東京地方裁判所2019(平成31)年3月15日判決、控訴審:東京高等裁判所2019(令和1)年9月26日判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【判決の概要】
〈第一審〉
東京地方裁判所平成31年3月15日判決
消費税更正処分等取消請求控訴事件
TAINSコード:Z888-2284
[原告]
不動産の賃貸借及び所有、管理、利用等を目的として設立された法人
[被告]
国
処分行政庁:行橋税務署長
[争点]
(1) 本件建物の取得に係る「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)が本件課税期間に属する日であるか否か。
(2) 本件司法書士報酬に係る「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)が本件課税期間に属する日であるか否か。
(3) 本件更正処分等が信義則に反して違法であるか否か。
(4) 本件更正処分(ただし、平成29年6月27日付け更正の処分による一部取消し前のもの)についての理由の提示に不備があるか否か。
(5) 原告に「正当な理由」(国税通則法65条4項)があるか否か。
[判決]
棄却(原告控訴)
〈控訴審〉
東京高等裁判所令和1年9月26日判決
消費税更正処分等取消請求控訴事件
TAINSコード:Z888-2285
[控訴人](第一審原告)
不動産の賃貸借及び所有、管理、利用等を目的として設立された法人
[被控訴人](第一審被告)
国
処分行政庁:行橋税務署長
[争点]
(1) 本件建物の取得に係る「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)が本件課税期間に属する日であるか否か。
(2) 本件司法書士報酬に係る「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)が本件課税期間に属する日であるか否か。
(3) 本件更正処分等が信義則に反して違法であるか否か。
(4) 本件更正処分(ただし、平成29年6月27日付け更正の処分による一部取消し前のもの)についての理由の提示に不備があるか否か。
(5) 控訴人に「正当な理由」(国税通則法65条4項)があるか否か。
[判決]
棄却、上告受理申立て
【事案の概要】
本件は、原告が、平成25年4月25日、土地並びに建物及び附属設備(以下、「本件不動産」といい、本件不動産のうち土地を除く部分を「本件建物」という)を代金7億円で買う旨の売買契約を締結するとともに、本件売買契約の際に生じた所有権の移転及び根抵当権の設定の各登記手続に係る事務を司法書士に委任する旨の約定を司法書士との間でしたとして、本件建物の取得に係る支払対価の額及び司法書士報酬の額を合計した6億1,362万2,313円を、平成25年4月24日から同月30日までの課税期間の課税仕入れに係る支払対価の額に算入した上で消費税及び地方消費税の確定申告をしたところ、行橋税務署長が、平成27年5月26日付けで、本件課税期間の消費税等の更正の処分及び過少申告加算税の賦課決定処分をしたため、本件更正処分等には、「課税仕入れを行った日」(消費税法30条1項1号)の解釈及び適用を誤った違法があるなどとして、本件更正処分等の一部の取消しを求める事案である。
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