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実務必須の
[重要税務判例]
【第59回】
「オデコ大陸棚事件」
~東京高判昭和59年3月14日(行政事件裁判例集35巻3号231頁)~
弁護士 菊田 雅裕
-本連載の趣旨-
本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。
税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。
本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。
このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。
なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
▷今回の題材
オデコ大陸棚事件
東京高判昭和59年3月14日(行政事件裁判例集35巻3号231頁)
《概要》
X社は、海底石油・ガス井の掘削・開発を事業目的として設立されたパナマ共和国法人である。日本法人A社は、鉱業法に基づき、日本沿岸の大陸棚の鉱区(領海外)における試掘権の設定を受けたので、X社に対し、当該鉱区での試掘作業を依頼した。そして、X社は試掘作業を行い、A社から請負代金の支払を受けた。
X社は、上記の収入について法人税の申告をせず、国税局が申告するよう指導しても応じなかった。そこで、Y税務署長は、X社に対し、法人税の決定をした。そこで、X社が、当該決定の取消しを求めて提訴したのが本件である。
しかし、東京高裁は、X社の主張を認めなかった(高裁の判決が確定)。
《関係図》
▷争点
日本の領海外の大陸棚で外国法人が行った石油・天然ガスの試掘作業の請負代金は、国内源泉所得に該当するか。
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