公開日: 2020/08/13 (掲載号:No.381)
文字サイズ

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第62回】「デラウェア州LPS事件」~最判平成27年7月17日(民集69巻5号1253頁)~

筆者: 菊田 雅裕

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第62回】

「デラウェア州LPS事件」

~最判平成27年7月17日(民集69巻5号1253頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

デラウェア州LPS事件

最判平成27年7月17日(民集69巻5号1253頁)

《概要》

Xは、A証券との間でファイナンシャル・アドバイザリー契約を締結し、アメリカに所在する不動産への投資事業に参加した。

まず、Xは、B銀行との間で信託契約を締結し、B銀行に資金を拠出した。B銀行は、デラウェア州有限責任会社との間で、当該州法に基づき、リミテッド・パートナーシップ契約(LPS契約)を締結し、リミテッド・パートナーシップ(LPS)を設立した。その際、Xが拠出した資金をもってLPSに資金拠出し、パートナーシップ持分を取得した。LPSは、建物を購入し、第三者に賃貸する事業を行った。

Xは、LPSの建物賃貸事業により生じた所得はXの不動産所得に該当するものとして、当該事業に基づく不動産所得の損失(減価償却等によるもの)を他の所得と損益通算の上、所得税の確定申告をした。これに対し、Y税務署長が、不動産所得該当性を否定し、損益通算はできないとして、Xにつき更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分を行った。Xがこれを争ったのが本件である。

最高裁は、Xの主張を認めなかった。

《関係図》

▷争点

本件のLPSは、所得税法2条1項7号・法人税法2条4号等に共通の概念として定められている外国法人に該当するか。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第62回】

「デラウェア州LPS事件」

~最判平成27年7月17日(民集69巻5号1253頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

デラウェア州LPS事件

最判平成27年7月17日(民集69巻5号1253頁)

《概要》

Xは、A証券との間でファイナンシャル・アドバイザリー契約を締結し、アメリカに所在する不動産への投資事業に参加した。

まず、Xは、B銀行との間で信託契約を締結し、B銀行に資金を拠出した。B銀行は、デラウェア州有限責任会社との間で、当該州法に基づき、リミテッド・パートナーシップ契約(LPS契約)を締結し、リミテッド・パートナーシップ(LPS)を設立した。その際、Xが拠出した資金をもってLPSに資金拠出し、パートナーシップ持分を取得した。LPSは、建物を購入し、第三者に賃貸する事業を行った。

Xは、LPSの建物賃貸事業により生じた所得はXの不動産所得に該当するものとして、当該事業に基づく不動産所得の損失(減価償却等によるもの)を他の所得と損益通算の上、所得税の確定申告をした。これに対し、Y税務署長が、不動産所得該当性を否定し、損益通算はできないとして、Xにつき更正処分・過少申告加算税の賦課決定処分を行った。Xがこれを争ったのが本件である。

最高裁は、Xの主張を認めなかった。

《関係図》

▷争点

本件のLPSは、所得税法2条1項7号・法人税法2条4号等に共通の概念として定められている外国法人に該当するか。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例]

連載が単行本になりました!!
くわしくは[こちら

第1回~第40回

第41回~

筆者紹介

菊田 雅裕

(きくた・まさひろ)

弁護士
横浜よつば法律税務事務所

【略歴】
・平成13年 東京大学法学部卒業
・平成16年 司法試験合格
・平成18年 弁護士登録
・平成23~25年 福岡国税不服審判所 国税審判官
・平成25~26年 東京国税不服審判所 国税審判官

【著書】
さっと読める!実務必須の重要税務判例70』(清文社、2021年)

関連書籍

新・くらしの税金百科 2022→2023

公益財団法人 納税協会連合会 編

税務・労務ハンドブック

公認会計士・税理士 馬詰政美 著公認会計士・税理士 菊地弘 著公認会計士・税理士 井村奨 著特定社会保険労務士 佐竹康男 著特定社会保険労務士 井村佐都美 著

【電子書籍版】令和4年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

令和4年度版 税務コンパクトブック+電子書籍[1ID]パック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

令和4年度版 税務コンパクトブック

株式会社プロフェッションネットワーク 編著

所得税実務問答集

日阪哲也 編

資産税の取扱いと申告の手引

村崎尚弘 編 一色広己 編

実務必須の重要税務判例70

弁護士 菊田雅裕 著
#