公開日: 2016/06/09 (掲載号:No.172)
文字サイズ

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第15回】「弁護士夫婦事件」~最判平成16年11月2日(集民215号517頁)~

筆者: 菊田 雅裕

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第15回】

「弁護士夫婦事件」

~最判平成16年11月2日(集民215号517頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

弁護士夫婦事件

最判平成16年11月2日(集民215号517頁)

《概要》

今回紹介する判例は、弁護士Xが、配偶者A(Xと生計を一にするが、Xとは独立して弁護士業を営んでいる)に対し、Xの業務に従事した労務の対価として報酬を支払い、これを事業所得の必要経費に算入して所得税の確定申告をしたところ、Y税務署長が、所得税法56条を適用し、Aへの報酬を必要経費に算入することを認めず、更正処分を行ったという事案である。

最高裁は、所得税法56条の適用を肯定し、Xの主張を認めなかった。

(※) 所得税法56条については論末の【参考】を参照。

《関係図》

 

▷争点

Xと生計を一にする配偶者Aが、Xと別に事業を営む場合であっても、XがAに支払った報酬につき、所得税法56条が適用されるか。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第15回】

「弁護士夫婦事件」

~最判平成16年11月2日(集民215号517頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

弁護士夫婦事件

最判平成16年11月2日(集民215号517頁)

《概要》

今回紹介する判例は、弁護士Xが、配偶者A(Xと生計を一にするが、Xとは独立して弁護士業を営んでいる)に対し、Xの業務に従事した労務の対価として報酬を支払い、これを事業所得の必要経費に算入して所得税の確定申告をしたところ、Y税務署長が、所得税法56条を適用し、Aへの報酬を必要経費に算入することを認めず、更正処分を行ったという事案である。

最高裁は、所得税法56条の適用を肯定し、Xの主張を認めなかった。

(※) 所得税法56条については論末の【参考】を参照。

《関係図》

 

▷争点

Xと生計を一にする配偶者Aが、Xと別に事業を営む場合であっても、XがAに支払った報酬につき、所得税法56条が適用されるか。

この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。

プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。

連載目次

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例]

連載が単行本になりました!!
くわしくは[こちら

第1回~第80回

第81回~

筆者紹介

菊田 雅裕

(きくた・まさひろ)

弁護士
横浜よつば法律税務事務所

【略歴】
・平成13年 東京大学法学部卒業
・平成16年 司法試験合格
・平成18年 弁護士登録
・平成23~25年 福岡国税不服審判所 国税審判官
・平成25~26年 東京国税不服審判所 国税審判官

【著書】
さっと読める!実務必須の重要税務判例70』(清文社、2021年)

新着情報

もっと⾒る

記事検索

メルマガ

メールマガジン購読をご希望の方は以下に登録してください。

#
#