事例でわかる[事業承継対策]
解決へのヒント
【第29回】
「海外居住者の相続税と国外転出時課税制度」
太陽グラントソントン税理士法人
(事業承継対策研究会)
パートナー 税理士 西田 尚子
相談内容
私Aは、製造業を営むX社(非上場会社)の社長です。X社の株式は私が40%、後継者の息子B(日本国籍)が60%を所有しています。Bは3年前からシンガポールにあるX社の子会社Y社へ出向しており、妻Cと長男D(いずれも日本国籍)と共にシンガポールで暮らしています。
Bが日本から出国する際には、私がBの納税管理人となり国外転出時課税の納税猶予の適用を受けました。
Bは今年帰国する予定だったのですが、新型コロナウイルスの影響で子会社の経営状況が悪化しており、その立て直しのため出向期間を延長することになりました。このような状況下で、万が一Bの相続が発生した場合に相続はどうなるのかが心配です。Bが海外居住中に相続が発生した場合の相続税の取扱いについてご教示ください。
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