公開日: 2024/01/22
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《速報解説》 令和6年能登半島地震により被害を受けた土地及び家屋に係る令和6基準年度向け評価等に関する情報を総務省が公表~賦課期日に家屋が滅失した場合の取扱い~

筆者: 菅野 真美

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 《速報解説》

令和6年能登半島地震により被害を受けた土地及び家屋に係る
令和6基準年度向け評価等に関する情報を総務省が公表

~賦課期日に家屋が滅失した場合の取扱い~

 

税理士 菅野 真美

 

令和6年1月1日の石川県能登地方を震源とする地震により、被害に遭われた皆様におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。

令和6年1月1日に発生した能登半島地震により被害を受けた土地及び家屋に係る令和6年基準年度の固定資産税評価額の取扱いに関する情報が、令和6年1月16日に総務省から公表された。

以下において、この情報に基づいて説明する。

*   *   *

土地、家屋の固定資産税は 土地又は家屋の価格で課税台帳に登録されたものが課税標準で、毎年1月1日(賦課期日)に所有者として登記簿や課税台帳に登記又は登録された者が納税義務者となり、所在する市町村(東京都特別区は東京都)に納付する市町村民税である。市町村長は、天災等で固定資産税の減免を必要と認められる者については、条例により固定資産税を減免することができる。

今回の情報においては、土地や家屋の評価は、被災の状況に基づくが、土地や家屋の被害の状況によっては、「東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成24年度の固定資産の評価替えについて」による簡易評価も可能として提示している。

能登半島地震は、令和6年1月1日の16時過ぎに発生した。固定資産税の賦課期日は1月1日であるが、1月1日0時の時点と1月1日17時の時点では、固定資産の評価額は大きく異なることになる。今回の地震による評価減等は、すべて減免等を通じて行われるのではないかと思うかもしれない。しかし、情報によると、「固定資産税においては1月1日中に生じた事情を同日を賦課期日とする年度の税額等に反映させることが基本です。このため、1月1日中に滅失した家屋に対しては課税されないものと解されますので、ご留意願います。また、例えば、1月2日以後に滅失した家屋については、1月1日の現況に基づき課税することになりますが、納税者の置かれた状況に十分配意して減免等を行うなど、適切に対応するようお願いします。」と述べられている。

この賦課期日の取扱いは、能登半島地震以外の家屋の滅失に関してもあてはまるのだろうか。たとえば、1月1日に所有していた家屋を取り壊した場合の家屋についての評価はどのようになるのか。1月1日は、滅失登記の申請をしたくとも、法務局は開局されていない。この件に関して、東京都主税局に電話で確認したところ、1月1日付の解体証明書等を入手し、滅失登記を行った場合は、家屋に係るその年の固定資産税は課税されないと回答を得た。

このように家屋の滅失に関しては、災害に限らず、滅失が1月1日に行われたならば、登記は後日行われたとしてもその年の家屋に係る固定資産税は課されないと考える。

(了)

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令和6年能登半島地震により被害を受けた土地及び家屋に係る
令和6基準年度向け評価等に関する情報を総務省が公表

~賦課期日に家屋が滅失した場合の取扱い~

 

税理士 菅野 真美

 

令和6年1月1日の石川県能登地方を震源とする地震により、被害に遭われた皆様におかれましては、心よりお見舞い申し上げます。

令和6年1月1日に発生した能登半島地震により被害を受けた土地及び家屋に係る令和6年基準年度の固定資産税評価額の取扱いに関する情報が、令和6年1月16日に総務省から公表された。

以下において、この情報に基づいて説明する。

*   *   *

土地、家屋の固定資産税は 土地又は家屋の価格で課税台帳に登録されたものが課税標準で、毎年1月1日(賦課期日)に所有者として登記簿や課税台帳に登記又は登録された者が納税義務者となり、所在する市町村(東京都特別区は東京都)に納付する市町村民税である。市町村長は、天災等で固定資産税の減免を必要と認められる者については、条例により固定資産税を減免することができる。

今回の情報においては、土地や家屋の評価は、被災の状況に基づくが、土地や家屋の被害の状況によっては、「東日本大震災により被害を受けた地方団体等における平成24年度の固定資産の評価替えについて」による簡易評価も可能として提示している。

能登半島地震は、令和6年1月1日の16時過ぎに発生した。固定資産税の賦課期日は1月1日であるが、1月1日0時の時点と1月1日17時の時点では、固定資産の評価額は大きく異なることになる。今回の地震による評価減等は、すべて減免等を通じて行われるのではないかと思うかもしれない。しかし、情報によると、「固定資産税においては1月1日中に生じた事情を同日を賦課期日とする年度の税額等に反映させることが基本です。このため、1月1日中に滅失した家屋に対しては課税されないものと解されますので、ご留意願います。また、例えば、1月2日以後に滅失した家屋については、1月1日の現況に基づき課税することになりますが、納税者の置かれた状況に十分配意して減免等を行うなど、適切に対応するようお願いします。」と述べられている。

この賦課期日の取扱いは、能登半島地震以外の家屋の滅失に関してもあてはまるのだろうか。たとえば、1月1日に所有していた家屋を取り壊した場合の家屋についての評価はどのようになるのか。1月1日は、滅失登記の申請をしたくとも、法務局は開局されていない。この件に関して、東京都主税局に電話で確認したところ、1月1日付の解体証明書等を入手し、滅失登記を行った場合は、家屋に係るその年の固定資産税は課税されないと回答を得た。

このように家屋の滅失に関しては、災害に限らず、滅失が1月1日に行われたならば、登記は後日行われたとしてもその年の家屋に係る固定資産税は課されないと考える。

(了)

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【税務面(法人税・消費税)のアドバイス】

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(公認会計士・税理士 篠藤敦子)

【法務面のアドバイス】

(弁護士 岨中良太)

【ケーススタディQ&A】

(公認会計士・税理士 篠藤敦子)

(公認会計士・税理士 深谷玲子)

筆者紹介

菅野 真美

(すがの・まみ)

税理士・社会福祉士・CFP

関西学院大学法学部政治学科卒業後、平成2年税理士試験合格。
平成18年まで新日本監査法人大阪事務所並びに関係会社において、監査並びに税務コンサルティング業務に従事。
その後、日本租税綜合研究所主任研究員を経て、税理士事務所開業。現在、東京税理士会芝支部、信託法学会会員、成年後見法学会会員。

【主な著書】
・『老後の備え・相続から教育資金贈与、事業承継まで 「信託」の基本と使い方がわかる本』日本実業出版社
・『税理士のために国外転出時課税と国際相続について考えてみました』中央経済社
・『申告なし・税金なしの贈与使いこなしQ&A 教育・結婚・子育て資金一括贈与+ジュニア NISA』中央経済社
・『顧問税理士なら答えて!個人の国際課税Q&A 結婚・転勤・移住・留学・運用・相続アラカルト80』(共著)中央経済社
・『教育資金の一括贈与非課税制度完全ガイド』中央経済社
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