〔事例で使える〕
中小企業会計指針・会計要領
《棚卸資産》編
【第3回】
(最終回)
「棚卸資産の評価方法(3)~売価還元法」
公認会計士・税理士 前原 啓二
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はじめに
前回は棚卸資産の評価方法のうち「個別法」、「先入先出法」、「最終仕入原価法」について算定方法等を示しました。《棚卸資産》編の最終回となる今回は、「売価還元法」による具体的な棚卸資産の算定方法をご紹介します。
【設例3】
A社(12月31日決算)は、様々な商品を仕入して販売する会社です。その様々な取扱商品のうち通常の差益の率がおおむね同じである「商品群B」の当期(×1年1月1日~×1年12月31日)の仕入状況と売上状況は、試算表・管理資料から次のとおりです。- 当期仕入高(仕入値引・割戻を控除済):627,000円 ⇒ 仕入時に仕入計上し、仕入値引・割戻時に仕入マイナス計上しています。
- 当期仕入返品高:7,000円 ⇒ 仕入返品時に仕入返品計上しています。
- 当期売上高(売上値引・割戻を控除済):810,000円 ⇒ 売上時に売上計上し、売上値引・割戻時に売上マイナス計上しています。
- 当期売上返品高:10,000円 ⇒ 売上返品時に売上返品計上しています。
「商品群B」の前期末棚卸高、当期末棚卸高は、下記のとおりです。
- 前期末棚卸高(×0年12月31日):前期に売価還元法により算定した原価80,000円。
- 当期末棚卸高(×1年12月31日):販売価額にて200,000円(当期中の売上値引・割戻等を考慮していない通常の販売価額により集計しています)。
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