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〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《固定資産》編 【第1回】「有形・無形固定資産の減損(1)~計上時の取扱い」

筆者:前原 啓二

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〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領

《固定資産》編

【第1回】

「有形・無形固定資産の減損(1)~計上時の取扱い」

 

公認会計士・税理士 前原 啓二

 

本連載の趣旨

「中小企業の会計に関する指針」(以下「中小企業会計指針」とします)は、中小企業が計算書類の作成に当たり拠ることが望ましい会計処理等を示すもので、一定の水準を保ったものとされています。これに比べ簡単な会計処理をすることが適切と考えられる中小企業を対象に「中小企業の会計に関する基本要領」も公表されました。

しかし、これらは簡潔に文章で記載されており、概念的には理解できても、実際にはどのように会計処理するのかがわからないため、仕方なく法人税法の規定による決算処理を続けている中小企業が散見されます。

そこで、本連載では、実際の中小企業で行われている基本的かつ重要な会計処理の事例をテーマごとに選び出し、「中小企業会計指針」等に基づく会計処理の一例について数値例を用いて具体的に示して、実務上のモデルとなるように解説します。また、法人税法規定による処理との差異と税務調整についても紹介します。

テーマについては、「中小企業会計指針」等に基づく会計処理と法人税法規定による処理との差異が顕著なものから順次取り上げます。

連載の第4弾として、固定資産を取り上げます。

本連載が、「中小企業会計指針」等のより一層の普及、さらに、中小企業の経営実態の正確な把握や適切な経営管理への発展に、少しでもつながれば幸いです。

《固定資産》編のラインナップ

  • 【第1回】 有形・無形固定資産の減損(1)~計上時の取扱い
  • 【第2回】 有形・無形固定資産の減損(2)~売却時の取扱い
  • 【第3回】 圧縮記帳
  • 【第4回】 ゴルフ会員権の減損

はじめに

中小企業会計指針では、上場企業向け減損会計基準の適用による技術的困難性等を配慮して、減損損失の認識対象をより狭く限定しています。

今回は、中小企業会計指針でも対象とされる減損損失の一例についてご紹介します。

【設例1】

A県にあるB工場は当社の不採算製品の製造拠点であり、X3年3月5日にB工場を閉鎖しました。B工場の機械・備品についてはX3年3月31日までに、他の工場へ移管し、転用できないものは廃棄処分しました。B工場の土地と建物は、当社の所有物件でX3年3月31日現在遊休状態であり、建物の構造上他の用途への転用も困難で、将来使用見込みがないものと見込まれます。売却の予定もありません。

当期(X2年4月1日~X3年3月31日)末現在におけるB工場の土地・建物に係るデータは、次のとおりです。

(1) 土地の帳簿価額は、200,000,000円。土地の取得時期がバブル期であり土地の市場価額が著しく下落しているものと思われます。直近の路線価評価額は40,000,000円。

(2) 建物の取得価額は、100,000,000円。X0年4月に取得。耐用年数38年、定額法償却率0.027(平成19年4月以後の取得)。帳簿価額は、91,900,000円。


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連載目次

〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領

《金銭債務-社債》 編(全1回)

《繰延資産・資産除去債務-敷金》 編(全2回)

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筆者紹介

  • 前原 啓二

    (まえはら・けいじ)

    公認会計士・税理士

    昭和60年 慶應義塾大学商学部卒業
    昭和62年 監査法人中央会計事務所(後の中央青山監査法人)入社
    平成 3 年 公認会計士登録
    平成 5 年 クーパース・アンド・ライブランド(現プライスウォーターハウスクーパース)ロンドン事務所勤務
    平成12年 前原会計事務所開設、米国公認会計士試験合格

    現在、前原会計事務所代表
    関西学院大学大学院経営戦略研究科教授(任期制実務家教員)
    兵庫県社会福祉協議会経営相談室専門相談員

    【著書等】
    ・『居住者の国外財産調書制度と外国税額控除』(清文社)
    ・『事例とチェックリストでよくわかる外国税額控除の申告実務』(清文社)
    ・『「中小企業の会計に関する指針」ガイドブック(平成20年版)』(共著)(清文社)
    ・『国際会計基準なるほどQ&A』(共著)(中央経済社)
    ・「関連会社・取引先支援をめぐる税務の問題―人的役務の提供」『月刊税理』2011年8月号(164項‐170項)(ぎょうせい)

     

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