公開日: 2026/02/26 (掲載号:No.658)
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谷口教授と学ぶ「税法基本判例」 【第56回】「「譲渡所得課税の趣旨」法理の「独走」とその解釈論的防止」-財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁-

筆者: 谷口 勢津夫

谷口教授と学ぶ

税法基本判例

【第56回】

「「譲渡所得課税の趣旨」法理の「独走」とその解釈論的防止」

-財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

今回は、前回にも言及した財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁(以下「昭和50年最判」という)を取り上げ、財産分与の場合における「譲渡所得課税の趣旨」法理前回参照)の「独走」とその解釈論的防止について検討することにする。

本件において第一審・名古屋地裁から納税者の訴訟代理人を務められた竹下重人弁護士は、譲渡所得課税の本質を譲渡差益(譲渡益)に対する課税とみる考え方(以下「譲渡益課税説」という)を第一審から上告審まで一貫して主張された立場から、昭和50年最判が後記Ⅱ1で引用するとおり土地譲渡代金割賦弁済事件・最判昭和47年12月26日民集26巻10号2083頁(以下「昭和47年最判」という)を参照したことを、「増加益清算課税説といわれ」る「譲渡所得の本質論」の「独走」として、次のとおり批判された(竹下重人「判批」別冊ジュリスト79号(租税判例百選〔第2版〕・1983年)76頁、77頁。下線筆者。なお、増加益清算課税説が「譲渡所得課税の趣旨」法理に相当することについては前回参照)。

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税法基本判例

【第56回】

「「譲渡所得課税の趣旨」法理の「独走」とその解釈論的防止」

-財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁-

 

大阪学院大学法学部教授
谷口 勢津夫

 

Ⅰ はじめに

今回は、前回にも言及した財産分与者譲渡所得課税[名古屋医師]事件・最判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁(以下「昭和50年最判」という)を取り上げ、財産分与の場合における「譲渡所得課税の趣旨」法理前回参照)の「独走」とその解釈論的防止について検討することにする。

本件において第一審・名古屋地裁から納税者の訴訟代理人を務められた竹下重人弁護士は、譲渡所得課税の本質を譲渡差益(譲渡益)に対する課税とみる考え方(以下「譲渡益課税説」という)を第一審から上告審まで一貫して主張された立場から、昭和50年最判が後記Ⅱ1で引用するとおり土地譲渡代金割賦弁済事件・最判昭和47年12月26日民集26巻10号2083頁(以下「昭和47年最判」という)を参照したことを、「増加益清算課税説といわれ」る「譲渡所得の本質論」の「独走」として、次のとおり批判された(竹下重人「判批」別冊ジュリスト79号(租税判例百選〔第2版〕・1983年)76頁、77頁。下線筆者。なお、増加益清算課税説が「譲渡所得課税の趣旨」法理に相当することについては前回参照)。

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連載目次

谷口教授と学ぶ「税法基本判例」

第1回~第20回

第21回~

筆者紹介

谷口 勢津夫

(たにぐち・せつお)

大阪学院大学法学部教授

1956年高知県生まれ。京都大学法学部卒業、同大学大学院法学研究科博士後期課程単位修得退学。甲南大学法学部教授、大阪大学大学院高等司法研究科教授を経て2022年4月より現職。大阪大学名誉教授。ほかに大阪大学大学院高等司法研究科長・大阪大学法務室長、アレクサンダー・フォン・フンボルト財団奨励研究員(Forschungsstipendiat der Alexander von Humboldt-Stiftung)・ミュンヘン大学客員研究員、日本税法学会理事長、租税法学会理事、IFA(International Fiscal Association)日本支部理事、資産評価政策学会理事、司法試験考査委員、公認会計士試験試験委員、独立行政法人造幣局契約監視委員会委員・委員長、大阪府収用委員会委員・会長、大阪府行政不服審査会委員・会長、公益財団法人日本税務研究センター評議員・同センター理事・同センター「日税研究賞」選考委員・同センター編集委員会委員、公益財団法人納税協会連合会「税に関する論文」選考委員、公益社団法人商事法務研究会「商事法務研究会賞」審査委員、近畿税理士会・近畿税務研究センター顧問など(一部現職。ほか歴任)。

主要著書は『租税条約論』(清文社・1999年)、『租税回避論』(清文社・2014年)、『租税回避研究の展開と課題〔清永敬次先生謝恩論文集〕』(共著・ミネルヴァ書房・2015年)、『税法の基礎理論』(清文社・2021年)、『税法創造論』(清文社・2022年)、『税法基本判例Ⅰ』(清文社・2023年)、『基礎から学べる租税法〔第4版〕』(共著・弘文堂・2025年)、『税法基本講義〔第8版〕』(弘文堂・2025年)、『税法基本判例Ⅱ』(清文社・2025年)など。
 
   

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