租税争訟レポート
【第45回】
「相続税申告における現金の申告漏れに係る重加算税賦課決定処分等取消し請求(第一審:東京地方裁判所平成30年4月24日判決、控訴審:東京高等裁判所平成30年11月15日判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【判決の概要】
〈第一審〉
東京地方裁判所平成30年4月24日判決
相続税に係る過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分取消し請求事件
東京地方裁判所平成28年(行ウ)第485号
TAINSコード:Z888-2238
[原告]
相続人
[被告]
国
処分行政庁:杉並税務署
[争点]
原告が本件申告をするに当たり本件現金が申告漏れとなったことについて、通則法68条1項所定の重加算税の賦課要件(税額の計算の基礎となるべき事実につき隠ぺい又は仮装をしたこと)を満たすか否か。
[判決]
棄却(納税者敗訴)(原告控訴)
〈控訴審〉
東京高等裁判所平成30年11月15日判決
相続税に係る過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分取消し請求事件
TAINSコード:Z888-2245
[控訴人](第一審原告)
相続人
[被控訴人](第一審被告)
国
処分行政庁:杉並税務署
[争点]
第一審に同じ。
[判決]
棄却(上告/上告受理申立て)
【事案の概要】
原告は、自身の叔母である被相続人の死亡により開始した相続に係る相続税の期限内申告書を平成25年8月14日に提出した。その後、原告と他の相続人は、平成26年12月22日、杉並税務署長に対し、相続開始時における被相続人の財産に約2,160万円を加算すること等を内容とする修正申告をした。
この修正申告に対し、原告は、杉並税務署長から、原告が被相続人名義の各口座から引き出し、その一部を被相続人の入院費等に充てた残額である約2,160万円のうち、申告に計上された70万円を超える部分である約2,090万円が申告漏れとなったことについて、相続税の過少申告加算税及び重加算税の賦課決定処分を受けた。
本件は、原告が、被告を相手に、賦課決定処分(過少申告加算税15万8,000円及び重加算税89万6,000円の合計105万4,000円)のうち、納付すべき税額が49万6,000円(現金の申告漏れにつき重加算税の賦課要件を満たしていないとした場合に、通則法65条1項及び2項に基づき課されることとなる過少申告加算税額に相当する額)を超える部分の取消しを求める事案である。
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