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実務必須の
[重要税務判例]
【第3回】
「アルゼグループ事件」
~最判平成18年1月19日(民集60巻1号65頁)~
弁護士 菊田 雅裕
-本連載の趣旨-
本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。
税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。
本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。
このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。
なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
▷今回の題材
アルゼグループ事件
最判平成18年1月19日(民集60巻1号65頁)
《概要》
今回紹介する判例の概要は、以下のとおりである。
Xは、A社から株式の譲渡を受けた。ところが、その後A社は、B税務署長から法人税の決定処分等の課税処分(本件課税処分)を受けた。そして、C国税局長は、A社の滞納国税について、Xに対し、国税徴収法39条に基づく第二次納税義務の納付告知処分をした。
Xは、本件課税処分に対する異議申立てをしたが、C国税局長は、不服申立て期間(本件課税処分のA社への送達の翌日から2ヶ月以内)が経過しているとして、これを却下した。
そこで、Xは、これを不服として審査請求したが、国税不服審判所長(Y)は、異議申立ては申立て期間を徒過しており、前提たる異議申立てが不適法であるとして、審査請求を却下する裁決をした。そこで、Xは、この裁決の取消しを求めて提訴した。
《関係図》
▷争点
1 第二次納税義務者は、主たる課税処分につき不服申立てをする地位を有するか(不服申立適格があるか)。
2 不服申立て適格があるとして、不服申立期間の起算日はいつか。
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