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実務必須の
[重要税務判例]
【第38回】
「制限超過利息事件」
~最判昭和46年11月9日(民集25巻8号1120頁)~
弁護士 菊田 雅裕
-本連載の趣旨-
本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。
税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。
本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。
このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。
なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
▷今回の題材
制限超過利息事件
(最判昭和46年11月9日(民集25巻8号1120頁))
《概要》
Xは、個人で金融業を営んでおり、借主に対し、約定により制限超過利息を付して金銭を貸し付けていた。
Xによる所得税の確定申告において、制限超過利息の取扱いに適切でない点があると考えたY税務署長は、Xに対し更正処分を行った。その後、訴訟に発展したのが本件である。
最高裁は、Xの主張を認め、更正処分は違法であると判断した。
《関係図》
▷争点
利息制限法による制限超過利息・損害金を課したものの、履行期が到来しても未収となっている場合、当該未収金は所得を構成するか。
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