租税争訟レポート
【第49回】
「個人事業主の必要経費該当性
(第一審:大阪地方裁判所2018(平成30)年4月19日判決、控訴審:大阪高等裁判所2018(平成30)年11月2日判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【判決の概要】
〈第一審〉
大阪地方裁判所平成30年4月19日判決
所得税更正処分等取消請求事件
TAINSコード:Z888-2201
[原告]
燃料小売り事業を営む個人
[被告]
国
処分行政庁:兵庫税務署
[争点]
(1) 本件外注費は原告の事業所得に係る必要経費に該当するか。
(2) 本件取引が所得税法157条1項の規定による同族会社の行為計算否認の対象となるか。
(3) 本件各更正処分の理由付記に不備があるか。
[判決]
棄却(納税者敗訴)(原告控訴)
〈控訴審〉
大阪高等裁判所平成30年11月2日判決
所得税更正処分等取消請求控訴事件
TAINSコード:Z888-2207
[控訴人](第一審原告)
燃料小売り事業を営む個人
[被控訴人](第一審被告)
国
処分行政庁:兵庫税務署
[争点]
(1) 本件外注費は原告の事業所得に係る必要経費に該当するか。
(2) 本件取引が所得税法157条1項の規定による同族会社の行為計算否認の対象となるか。
(3) 本件各更正処分の理由付記に不備があるか。
[判決]
棄却(納税者敗訴)、上告受理申立
【事案の概要】
本件は、Aの屋号でLPガス、A重油、灯油等の燃料小売業を営む原告が、平成22年分から平成24年分までの所得税の確定申告において、原告が代表者を務める株式会社B(以下「B社」という)にAの業務を委託したとして、その外注費を事業所得の金額の計算上必要経費に算入したところ、兵庫税務署長が、外注費を必要経費に算入することはできないとして、原告に対し、各年分の所得税の更正及び過少申告加算税の賦課決定をしたため、被告を相手に、各更正処分のうち各申告額を超える部分及び各賦課決定処分の取消しを求める事案である。
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