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実務必須の
[重要税務判例]
【第22回】
「パチンコ球遊器事件」
~最判昭和33年3月28日(民集12巻4号624頁)~
弁護士 菊田 雅裕
-本連載の趣旨-
本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。
税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。
本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。
このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。
なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。
▷今回の題材
パチンコ球遊器事件
(最判昭和33年3月28日(民集12巻4号624頁))
《概要》
昭和16年、旧物品税法の課税対象として、「遊戯具」が追加された。しかし、その後も、パチンコ球遊器に対しては、ごく少数の例外を除き、物品税が賦課されてこなかった。昭和26年に至り、国税庁等が、通達で、パチンコ球遊器も「遊戯具」に含まれるとの解釈を示したため、Y税務署長は、Xにつき、その製造するパチンコ球遊器に対し物品税を課した(本件課税処分)。そこで、Xが本件課税処分の無効を主張して争ったのが本件である。
最高裁は、Xの主張を認めず、本件課税処分は有効であると判断した。
《関係図》
▷争点
1 パチンコ球遊器は「遊戯具」に含まれるか。
2 本件課税処分は、法律に基づかず通達に基づいて課税するいわゆる通達課税として、租税法律主義に反し違憲となるか。
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