公開日: 2026/06/04 (掲載号:No.671)
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租税争訟レポート 【第85回】「所得区分と損益通算/給与所得を有する社会保険労務士の相談業務に係る損失(さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第85回】

「所得区分と損益通算/給与所得を有する社会保険労務士の相談業務に係る損失
(さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決の概要〉

さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決
さいたま地方裁判所令和5年(行ウ)
第49号更正処分取消請求事件(却下・棄却)(控訴)
TAINSコード:Z888-2794

[原告]

社会保険労務士であり、かつ給与所得がある個人

[被告]


処分行政庁:上尾税務署長

[争点]

(1) 平成28年分更正処分から令和2年分更正処分までの取消しを求める部分の適法性

(2) 相談業務から生じた所得は事業所得又は雑所得のいずれに該当するか

(3) 処分行政庁による調査に各処分の取消原因となる瑕疵があったか

(4) 処分行政庁による各処分の理由の付記に不備があったか

[判決]

却下・棄却(控訴)

 

【事案の概要】

青色申告の承認を受けている、社会保険労務士である原告が、平成28年分から令和2年分までの所得税及び復興特別所得税について、社会保険労務士として行った相談業務から生じた所得は事業所得に該当するとの前提に立って他の所得金額と損益通算する内容の確定申告をしたのに対し、処分行政庁である上尾税務署長は、相談業務から生じた所得は事業所得には該当せず、雑所得に該当するから、他の所得との損益通算はできないなどとして、更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。

本件は、原告が、相談業務から生じた所得は雑所得ではなく事業所得に該当する、上尾税務署長による各処分の前提となる調査に各処分の取消原因となる瑕疵があった、各処分の理由の付記に不備があったから、各処分は違法であると主張して、被告に対し、その取消しを求めるとともに、原告が各処分に従って令和4年3月18日に納付した37万800円につき、各処分の取消しがされたときは債務不履行となると主張して、同金員に対する令和4年3月18日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

 

【争点】

(1) 平成28年分更正処分から令和2年分更正処分までの取消しを求める部分の適法性

(2) 相談業務から生じた所得は事業所得又は雑所得のいずれに該当するか

(3) 処分行政庁による調査に各処分の取消原因となる瑕疵があったか

(4) 処分行政庁による各処分の理由の付記に不備があったか

 

【さいたま地方裁判所の判断】

本稿では、原告が相談業務に従事したことによって生じた所得が、事業所得又は雑所得のいずれの所得に区分されるかが中心的な争点であるため、まずは、前掲の争点(2)に対する原告と被告双方の主張を確認した上で、裁判所の判断を検討したい。

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【第85回】

「所得区分と損益通算/給与所得を有する社会保険労務士の相談業務に係る損失
(さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

【判決の概要】

〈さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決の概要〉

さいたま地方裁判所令和6年12月11日判決
さいたま地方裁判所令和5年(行ウ)
第49号更正処分取消請求事件(却下・棄却)(控訴)
TAINSコード:Z888-2794

[原告]

社会保険労務士であり、かつ給与所得がある個人

[被告]


処分行政庁:上尾税務署長

[争点]

(1) 平成28年分更正処分から令和2年分更正処分までの取消しを求める部分の適法性

(2) 相談業務から生じた所得は事業所得又は雑所得のいずれに該当するか

(3) 処分行政庁による調査に各処分の取消原因となる瑕疵があったか

(4) 処分行政庁による各処分の理由の付記に不備があったか

[判決]

却下・棄却(控訴)

 

【事案の概要】

青色申告の承認を受けている、社会保険労務士である原告が、平成28年分から令和2年分までの所得税及び復興特別所得税について、社会保険労務士として行った相談業務から生じた所得は事業所得に該当するとの前提に立って他の所得金額と損益通算する内容の確定申告をしたのに対し、処分行政庁である上尾税務署長は、相談業務から生じた所得は事業所得には該当せず、雑所得に該当するから、他の所得との損益通算はできないなどとして、更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分をした。

本件は、原告が、相談業務から生じた所得は雑所得ではなく事業所得に該当する、上尾税務署長による各処分の前提となる調査に各処分の取消原因となる瑕疵があった、各処分の理由の付記に不備があったから、各処分は違法であると主張して、被告に対し、その取消しを求めるとともに、原告が各処分に従って令和4年3月18日に納付した37万800円につき、各処分の取消しがされたときは債務不履行となると主張して、同金員に対する令和4年3月18日から支払済みまで民法所定の年3%の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。

 

【争点】

(1) 平成28年分更正処分から令和2年分更正処分までの取消しを求める部分の適法性

(2) 相談業務から生じた所得は事業所得又は雑所得のいずれに該当するか

(3) 処分行政庁による調査に各処分の取消原因となる瑕疵があったか

(4) 処分行政庁による各処分の理由の付記に不備があったか

 

【さいたま地方裁判所の判断】

本稿では、原告が相談業務に従事したことによって生じた所得が、事業所得又は雑所得のいずれの所得に区分されるかが中心的な争点であるため、まずは、前掲の争点(2)に対する原告と被告双方の主張を確認した上で、裁判所の判断を検討したい。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第60回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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