公開日: 2017/08/03 (掲載号:No.229)
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租税争訟レポート 【第33回】「顧問税理士の不正発見義務(東京地方裁判所判決)」

筆者: 米澤 勝

租税争訟レポート

【第33回】

「顧問税理士の不正発見義務(東京地方裁判所判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

東京地方裁判所平成28年5月18日判決
平成26年(ワ)第3705号損害賠償請求事件

[原 告]

診療所を経営する医師

[被 告]

原告の顧問税理士

[争 点]

(争点1)顧問税理士である被告の義務及び義務違反の存否
(争点2)被告の義務違反と損害との因果関係
(争点3)顧問料等の増額についての原告の同意の有無
(争点4)慰謝料の発生の有無及びその額

[判 決]

一部認容
損害賠償請求については棄却したが、原告の承諾なく被告が増額していた顧問料及び決算報酬112万円について、被告に支払いを命じた。

 

【事案の概要】

本件は、診療所を経営する医師である原告が、税理士である被告と税務顧問契約を締結していたところ、原告が雇用していたA(以下「A」という)の横領につき、被告が、会計上の不正行為の有無を調査しなかったこと又は会計上の不正行為が疑われる事実を報告しなかったことが税務顧問契約上の債務不履行になるとし、損害賠償請求権に基づき、損害合計6,975万3,500円、及び、原告の承諾なく被告が顧問料及び決算報酬の増額分を受け取っていたとして、不当利得返還請求権に基づき、当該増額分の合計額112万円の合計7,087万3,500円の支払いを求める事案である。

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【第33回】

「顧問税理士の不正発見義務(東京地方裁判所判決)」

 

税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝

 

東京地方裁判所平成28年5月18日判決
平成26年(ワ)第3705号損害賠償請求事件

[原 告]

診療所を経営する医師

[被 告]

原告の顧問税理士

[争 点]

(争点1)顧問税理士である被告の義務及び義務違反の存否
(争点2)被告の義務違反と損害との因果関係
(争点3)顧問料等の増額についての原告の同意の有無
(争点4)慰謝料の発生の有無及びその額

[判 決]

一部認容
損害賠償請求については棄却したが、原告の承諾なく被告が増額していた顧問料及び決算報酬112万円について、被告に支払いを命じた。

 

【事案の概要】

本件は、診療所を経営する医師である原告が、税理士である被告と税務顧問契約を締結していたところ、原告が雇用していたA(以下「A」という)の横領につき、被告が、会計上の不正行為の有無を調査しなかったこと又は会計上の不正行為が疑われる事実を報告しなかったことが税務顧問契約上の債務不履行になるとし、損害賠償請求権に基づき、損害合計6,975万3,500円、及び、原告の承諾なく被告が顧問料及び決算報酬の増額分を受け取っていたとして、不当利得返還請求権に基づき、当該増額分の合計額112万円の合計7,087万3,500円の支払いを求める事案である。

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連載目次

租税争訟レポート

第1回~第30回

筆者紹介

米澤 勝

(よねざわ・まさる)

税理士・公認不正検査士(CFE)

1997年12月 税理士試験合格
1998年2月 富士通サポートアンドサービス株式会社(現社名:株式会社富士通エフサス)入社。経理部配属(税務、債権管理担当)
1998年6月 税理士登録(東京税理士会)
2007年4月 経理部からビジネスマネジメント本部へ異動。内部統制担当
2010年1月 株式会社富士通エフサス退職。税理士として開業(現在に至る)

【著書】

・『新版 架空循環取引─法務・会計・税務の実務対応』共著(清文社・2019)

・『企業はなぜ、会計不正に手を染めたのか-「会計不正調査報告書」を読む-』(清文社・2014)

・「企業内不正発覚後の税務」『税務弘報』(中央経済社)2011年9月号から2012年4月号まで連載(全6回)

【寄稿】

・(インタビュー)「会計監査クライシスfile.4 不正は指摘できない」『企業会計』(2016年4月号、中央経済社)

・「不正をめぐる会計処理の考え方と実務ポイント」『旬刊経理情報』(2015年4月10日号、中央経済社)

【セミナー・講演等】

一般社団法人日本公認不正検査士協会主催
「会計不正の早期発見
――不正事例における発覚の経緯から考察する効果的な対策」2016年10月

公益財団法人日本監査役協会主催
情報連絡会「不正会計の早期発見手法――監査役の視点から」2016年6月

株式会社プロフェッションネットワーク主催
「企業の会計不正を斬る!――最新事例から学ぶ,その手口と防止策」2015年11月

 

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