租税争訟レポート
【第33回】
「顧問税理士の不正発見義務(東京地方裁判所判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
東京地方裁判所平成28年5月18日判決
平成26年(ワ)第3705号損害賠償請求事件
[原 告]
診療所を経営する医師
[被 告]
原告の顧問税理士
[争 点]
(争点1)顧問税理士である被告の義務及び義務違反の存否
(争点2)被告の義務違反と損害との因果関係
(争点3)顧問料等の増額についての原告の同意の有無
(争点4)慰謝料の発生の有無及びその額
[判 決]
一部認容
損害賠償請求については棄却したが、原告の承諾なく被告が増額していた顧問料及び決算報酬112万円について、被告に支払いを命じた。
【事案の概要】
本件は、診療所を経営する医師である原告が、税理士である被告と税務顧問契約を締結していたところ、①原告が雇用していたA(以下「A」という)の横領につき、被告が、会計上の不正行為の有無を調査しなかったこと又は会計上の不正行為が疑われる事実を報告しなかったことが税務顧問契約上の債務不履行になるとし、損害賠償請求権に基づき、損害合計6,975万3,500円、及び、②原告の承諾なく被告が顧問料及び決算報酬の増額分を受け取っていたとして、不当利得返還請求権に基づき、当該増額分の合計額112万円の合計7,087万3,500円の支払いを求める事案である。
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