租税争訟レポート
【第34回】
「賃貸用建物の建築費用の用途区分(国税不服審判所裁決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
国税不服審判所平成28年10月26日裁決
((広裁(諸)平28-2)、TAINSコード:F0-5-176)
[審査請求人]
不動産賃貸業を営む個人事業主
[原処分]
平成27年5月28日付でされた平成23年1月1日から平成23年3月31日まで及び平成24年7月1日から平成24年9月30日までの各課税期間の消費税及び地方消費税の各更正処分並びに過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分
[争点]
(1) 争点1 平成23年3月課税期間の本件A建物に係る建築費用等の課税仕入れに係る支払対価の額は幾らか。
(2) 争点2 平成23年3月課税期間において、本件A建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(3) 争点3 平成23年3月課税期間において、本件B建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(4) 争点4 平成23年3月課税期間における請求人の行為は、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当するか。
(5) 争点5 平成23年3月課税期間における請求人の行為は、通則法第70条第4項に規定する偽りその他不正の行為に該当するか。
(6) 争点6 平成24年9月課税期間において、本件B建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(7) 争点7 平成24年9月課税期間における請求人の行為は、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当するか。
[裁決]
一部取消し
【事案の概要】
本件は、不動産賃貸業を営む審査請求人(以下「請求人」という)の消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という)について、原処分庁が、課税仕入れに係る支払対価の額が過大に計上されており、また、消費税法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》第2項第1号に規定する方法による課税仕入れに係る消費税額の計算において、課税仕入れに係る用途区分に誤りがあるなどとして更正処分等を行ったのに対し、請求人が原処分庁の認定に誤りがあるとして、原処分の一部の取消しを求めた事案である。
争点は、以下の7点である。
(1) 争点1 平成23年3月課税期間の本件A建物に係る建築費用等の課税仕入れに係る支払対価の額は幾らか。
(2) 争点2 平成23年3月課税期間において、本件A建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(3) 争点3 平成23年3月課税期間において、本件B建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(4) 争点4 平成23年3月課税期間における請求人の行為は、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当するか。
(5) 争点5 平成23年3月課税期間における請求人の行為は、通則法第70条第4項に規定する偽りその他不正の行為に該当するか。
(6) 争点6 平成24年9月課税期間において、本件B建物に係る建築費用等の個別対応方式を適用する際の用途区分は何か。
(7) 争点7 平成24年9月課税期間における請求人の行為は、通則法第68条第1項に規定する隠ぺい又は仮装に該当するか。
なお、本裁決は非公開裁決であり、情報公開法第9条第1項による開示情報であるところから、固有名詞や所在地、金額の多くについてマスキングがされているため、筆者において、適宜、業者名、金額等を推定しながら補っていることをお断りしておきたい。
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