事例でわかる[事業承継対策]
解決へのヒント
【第24回】
「親族外の後継者と中小企業投資育成によるMBO」
太陽グラントソントン税理士法人
(事業承継対策研究会)
パートナー 税理士 梶本 岳
相談内容
私は、自動車部品製造業を営むF社の専務取締役Bです。半年ほど前、後継者のいない創業オーナーW社長が1年後の任期満了をもって取締役を退任したい旨を公表しました。私Bを含む取締役5名による経営体制に移行し、F社株式を譲渡したい意向を示されています。
当社の顧問税理士が、株式の移転コストを抑えることを目的に役員持株会や従業員持株会に株式を低廉譲渡してもらい、W社長には役員退職慰労金で創業者利益を得るという提案を行いました。しかし、W社長から役員退職慰労金とは別に1億円程度でF社株式を新経営陣が取得するようなMBO(Management Buyout:マネジメント・バイアウト)による株式承継計画を検討するように指示されました。
メインバンクからは、新経営陣が持株会社(SPC)を設立し、銀行借入100%で株式を取得するプランを提案されましたが、顧問税理士からは、自己資本を厚くして借入負担を抑えるとともに、次なる事業承継のことを意識して安定株主を入れてはどうかと提案がありました。
借入金の返済が今後の会社経営の重荷にならず、次なる事業承継の時に、私Bを含む新経営陣が過度に経済的な負担を被らなくて済むような資本政策の検討を顧問税理士に依頼しました。結果として、取締役5名が500万円ずつ2,500万円を出資してSPCを設立し、2,500万円を中小企業投資育成に出資してもらい、残りの5,000万円を金融機関から融資を受けてW社長から株式を取得するスキームを顧問税理士が提案してくれました。
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