租税争訟レポート
【第60回】
「税理士損害賠償請求訴訟~調査拒否と仕入税額控除の否認
(千葉地方裁判所令和3年12月24日判決)」
税理士・公認不正検査士(CFE)
米澤 勝
【判決の概要】
千葉地方裁判所令和3年12月24日判決
平成30年(ワ)第768号損害賠償請求事件(認容)
TAINSコード:Z999-0179
[原告]
遊技場(パチンコ店)を経営する株式会社
[被告]
原告から税務代理を受任していた税理士
[争点]
(1) 注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反の有無
(2) 原告の損害
[判決]
1 被告は、原告に対し、3億2,000万円及びこれに対する平成30年5月4日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
3 この判決は、仮に執行することができる。
【事案の概要】
本件は、遊技場を経営する会社である原告が、平成26年2月から平成27年6月までの間に行われた国税局の職員による税務調査において帳簿及び請求書等(以下「帳簿等」という)を提示しなかったため、A税務署長から、平成27年6月8日付けで、帳簿等を保存しない場合に当たることを理由として消費税法30条1項の規定による仕入に係る消費税額の控除(以下「仕入税額控除」という)を否認する消費税及び地方消費税の更正及び過少申告加算税の賦課決定を受けたことについて、原告から税務代理を受任し本件調査に対応していた被告に善管注意義務違反、指導助言義務違反及び忠実義務違反があったと主張して、被告に対し、不法行為の規定による損害賠償又は税務代理委任契約上の債務不履行による損害賠償として、上記更正等による増額等に係る消費税及び過少申告加算税に相当する38億2,539万3,900円の一部である3億円と弁護士費用2,000万円との合計3億2,000万円並びにこれに対する訴状送達の日の翌日である平成30年5月4日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
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