公開日: 2022/09/29 (掲載号:No.488)
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〔事例で使える〕中小企業会計指針・会計要領《収益・費用の計上-収益認識》編 【第2回】「割戻しを見込む販売(変動対価)」

筆者: 前原 啓二

〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領
《収益・費用の計上-収益認識》

【第2回】

「割戻しを見込む販売(変動対価)」

 

公認会計士・税理士 前原 啓二

 

連載の目次はこちら

はじめに

平成30年3月に「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」とします)が公表され、上場企業や会社法上の大会社等公認会計士又は監査法人の監査を受ける会社を対象に、令和3年4月1日以降開始する事業年度から強制適用されています。これを受けて、平成30年度税制改正において法人税法等の改正も行われました。

しかし、中小企業は、収益認識について、従来どおりの会計処理を継続できることとなりました。今回の『収益認識』編では、中小企業に適用義務化されなかった収益認識会計基準や平成30年度税制改正後の法人税等の取扱いによる会計処理をご紹介します。それらの中から今回は、「割戻しを見込む販売」を取り上げます。

【設例2】

  • 当社(生活用品製造業。3月31日決算)は、新製品Nの販売について、卸売問屋U社と2年間の販売数量に基づく割戻しを単価に反映するように、当社からU社への販売単価設定の契約を締結し、取引を始めました。
  • この契約上販売単価(税抜)は、当社からU社への販売数量が、0個から20,000個までは@500円/個。20,001個から40,000個までは@450円/個。40,001個以上は@400円/個とされました。
  • 当社は、U社への販売数量を2年間で40,000個と予測していました。
  • 2年間の販売実績は、当社からU社へ、X4年4月4日に20,000個、X5年4月3日に20,000個販売しました。
  • 消費税率10%

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〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領
《収益・費用の計上-収益認識》

【第2回】

「割戻しを見込む販売(変動対価)」

 

公認会計士・税理士 前原 啓二

 

連載の目次はこちら

はじめに

平成30年3月に「収益認識に関する会計基準」(以下「収益認識会計基準」とします)が公表され、上場企業や会社法上の大会社等公認会計士又は監査法人の監査を受ける会社を対象に、令和3年4月1日以降開始する事業年度から強制適用されています。これを受けて、平成30年度税制改正において法人税法等の改正も行われました。

しかし、中小企業は、収益認識について、従来どおりの会計処理を継続できることとなりました。今回の『収益認識』編では、中小企業に適用義務化されなかった収益認識会計基準や平成30年度税制改正後の法人税等の取扱いによる会計処理をご紹介します。それらの中から今回は、「割戻しを見込む販売」を取り上げます。

【設例2】

  • 当社(生活用品製造業。3月31日決算)は、新製品Nの販売について、卸売問屋U社と2年間の販売数量に基づく割戻しを単価に反映するように、当社からU社への販売単価設定の契約を締結し、取引を始めました。
  • この契約上販売単価(税抜)は、当社からU社への販売数量が、0個から20,000個までは@500円/個。20,001個から40,000個までは@450円/個。40,001個以上は@400円/個とされました。
  • 当社は、U社への販売数量を2年間で40,000個と予測していました。
  • 2年間の販売実績は、当社からU社へ、X4年4月4日に20,000個、X5年4月3日に20,000個販売しました。
  • 消費税率10%

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連載目次

〔事例で使える〕

中小企業会計指針・会計要領

《金銭債権-手形債権・電子記録債権》 編(全2回)

《金銭債務-社債》 編(全1回)

《繰延資産・資産除去債務-敷金》 編(全2回)

筆者紹介

前原 啓二

(まえはら・けいじ)

公認会計士・税理士

昭和60年 慶應義塾大学商学部卒業
昭和62年 監査法人中央会計事務所(後の中央青山監査法人)入社
平成 3 年 公認会計士登録
平成 5 年 クーパース・アンド・ライブランド(現プライスウォーターハウスクーパース)ロンドン事務所勤務
平成12年 前原会計事務所開設、米国公認会計士試験合格

現在、前原会計事務所代表
関西学院大学大学院経営戦略研究科客員教授
兵庫県社会福祉協議会経営相談室専門相談員

【著書等】
・『居住者の国外財産調書制度と外国税額控除』(清文社)
・『事例とチェックリストでよくわかる外国税額控除の申告実務』(清文社)
・『「中小企業の会計に関する指針」ガイドブック(平成20年版)』(共著)(清文社)
・『国際会計基準なるほどQ&A』(共著)(中央経済社)
・「関連会社・取引先支援をめぐる税務の問題―人的役務の提供」『月刊税理』2011年8月号(164項‐170項)(ぎょうせい)

 

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