公開日: 2023/03/09 (掲載号:No.510)
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さっと読める! 実務必須の[重要税務判例] 【第84回】「愛知交通事件」~最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)~

筆者: 菊田 雅裕

さっと読める!

実務必須の

[重要税務判例]

【第84回】

「愛知交通事件」

~最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

愛知交通事件

最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)

《概要》

X社は、X社の役員であったYに対し、簿外定期預金の払出し等を行った。YがX社を退社した後、A税務署長は、これらを役員賞与と認定し、X社に対して、源泉所得税・不納付加算税等の納税告知処分を行った。X社は、これらにかかる金額を納付しつつ、異議申立て・審査請求を行ったが、これらは排斥された。その後、X社は、当該処分の取消請求訴訟は提起せず、Yに対し、旧所得税法43条2項(現222条)により、納付した金額に相当する金員の支払をYに求めたが、Yがこれを拒否したため、Yを提訴した。

最高裁は、源泉所得税の本税に当たる分の請求は認め、その余の請求は認めなかった。

《関係図》

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

▷争点

源泉徴収による所得税についての納税告知の法的性質は、徴収処分か、それとも課税処分か。

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[重要税務判例]

【第84回】

「愛知交通事件」

~最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)~

 

弁護士 菊田 雅裕

 

-本連載の趣旨-

本連載は、税務分野の重要判例の要旨を、できるだけ簡単な形でご紹介するものである。

税務争訟は、請求内容や主張立証等が細かく煩雑となりやすい類型の争訟であり、事件の正確な理解のためには、処分経過の把握や判決文の十分な読み込み等が必要となってくるが、若手税理士をはじめとする多忙な読者諸氏が、日常業務をこなしつつ判例研究の時間を確保することは、容易なことではないであろう。他方、これから税務重要判例を知識として蓄積していこうとする者にとっては、要点の把握すら困難な事件も数多い。

本連載では、解説のポイントを絞り、時には大胆な要約や言い換え等も行って、上記のような読者の方に、重要判例の概要を素早く把握していただこうと考えている。

このような企画趣旨から、本連載における解説は、自ずと必要最低限のものとなり、基礎知識の説明、判例の繊細なニュアンスの紹介、多角的な分析、主要な争点以外の判断事項の紹介等を省略することも多くなると思われるが、ご容赦をいただきたい。

なお、より深い内容については、できるだけ論末において他稿をご紹介するので、そちらをご参照いただきたい。

▷今回の題材

愛知交通事件

最判昭和45年12月24日(民集24巻13号2243頁)

《概要》

X社は、X社の役員であったYに対し、簿外定期預金の払出し等を行った。YがX社を退社した後、A税務署長は、これらを役員賞与と認定し、X社に対して、源泉所得税・不納付加算税等の納税告知処分を行った。X社は、これらにかかる金額を納付しつつ、異議申立て・審査請求を行ったが、これらは排斥された。その後、X社は、当該処分の取消請求訴訟は提起せず、Yに対し、旧所得税法43条2項(現222条)により、納付した金額に相当する金員の支払をYに求めたが、Yがこれを拒否したため、Yを提訴した。

最高裁は、源泉所得税の本税に当たる分の請求は認め、その余の請求は認めなかった。

《関係図》

※画像をクリックすると、別ページで拡大表示されます。

▷争点

源泉徴収による所得税についての納税告知の法的性質は、徴収処分か、それとも課税処分か。

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連載目次

さっと読める! 実務必須の[重要税務判例]

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第1回~第90回

筆者紹介

菊田 雅裕

(きくた・まさひろ)

弁護士
横浜よつば法律税務事務所

【略歴】
・平成13年 東京大学法学部卒業
・平成16年 司法試験合格
・平成18年 弁護士登録
・平成23~25年 福岡国税不服審判所 国税審判官
・平成25~26年 東京国税不服審判所 国税審判官

【著書】
さっと読める!実務必須の重要税務判例70』(清文社、2021年)

関連書籍

法人税事例選集

公認会計士・税理士 森田政夫 共著 公認会計士・税理士 西尾宇一郎 共著

【電子書籍版】源泉所得税取扱いの手引

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