公開日: 2025/11/20 (掲載号:No.645)
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〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例 【第83回】「海外子会社への貸付利子と移転価格税制-平成29年9月26日裁決の検討-(審裁平29.9.26)(その1)」~租税特別措置法〔平成26年法律第10号改正前〕66条の4、租税特別措置法関係通達66の4(7)-1・66の4(7)-4等~

筆者: 中野 亘

〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第83回】

「海外子会社への貸付利子と移転価格税制-平成29年9月26日裁決の検討-(審裁平29.9.26)(その1)」

~租税特別措置法〔平成26年法律第10号改正前〕66条の4、
租税特別措置法関係通達66の4(7)-1・66の4(7)-4等~

 

税理士 中野 亘

 

  • 国税不服審判所平成29年9月26日裁決(TAINSコード:J108-3-09)

 

1 はじめに

海外子会社への貸付利率をいくらに設定すべきか。

グループ内取引で最も日常的かつ誤りやすい論点である。金銭貸借取引は、単価や数量といったモノの価格ではなく、「利率」という抽象的指標で判断されるため、算定過程の合理性を欠くとたちまち課税調整の対象になる。

平成29年9月26日の国税不服審判所の裁決は、こうした金銭貸借取引の実態を掘り下げ、独立企業原則の運用を実務的に整理した事例である。特筆すべきは、表面上の金利水準ではなく、算定プロセスの妥当性を中心に検証している点である。

本稿では、本件の事案の概要、課税庁と請求人双方の主張、そして審判所の判断を詳細にたどり、実務上の留意点を抽出する。

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〈一角塾〉

図解で読み解く国際租税判例

【第83回】

「海外子会社への貸付利子と移転価格税制-平成29年9月26日裁決の検討-(審裁平29.9.26)(その1)」

~租税特別措置法〔平成26年法律第10号改正前〕66条の4、
租税特別措置法関係通達66の4(7)-1・66の4(7)-4等~

 

税理士 中野 亘

 

  • 国税不服審判所平成29年9月26日裁決(TAINSコード:J108-3-09)

 

1 はじめに

海外子会社への貸付利率をいくらに設定すべきか。

グループ内取引で最も日常的かつ誤りやすい論点である。金銭貸借取引は、単価や数量といったモノの価格ではなく、「利率」という抽象的指標で判断されるため、算定過程の合理性を欠くとたちまち課税調整の対象になる。

平成29年9月26日の国税不服審判所の裁決は、こうした金銭貸借取引の実態を掘り下げ、独立企業原則の運用を実務的に整理した事例である。特筆すべきは、表面上の金利水準ではなく、算定プロセスの妥当性を中心に検証している点である。

本稿では、本件の事案の概要、課税庁と請求人双方の主張、そして審判所の判断を詳細にたどり、実務上の留意点を抽出する。

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連載目次

〈一角塾〉図解で読み解く国際租税判例

◆最新テーマ

▷海外子会社への貸付利子と移転価格税制-平成29年9月26日裁決の検討-(審裁平29.9.26)〔中野亘〕

◆これまでに取り上げたテーマ

筆者紹介

中野 亘

(なかの・わたる)

わたる税理士事務所 代表

〔略歴〕
1983年12月大阪府生まれ
2006年3月近畿大学理工学部卒業
2009年3月日本メディカル福祉専門学校臨床工学専攻科卒業
2021年3月大阪経済大学大学院経営学研究科修了
2024年3月独立開業

大学卒業後、医療機器の営業職を経て在職中に臨床工学技士の資格を取得し、医療機関にて臨床工学技士として医療に従事。大学院では村井ゼミにて移転価格税制について取引単位や機能分析等から複数の事例を帰納的に分析しました。その後、職歴を活かして税理士法人で医師・歯科医師の開業支援から法人成り、相続まで幅広い業務に携わらせていただく一方で大学院修了後も村井先生のお誘いを受けて一角塾に参加させていただき、国際課税についての研究を行っています。

〔修士論文〕
「移転価格税制における利益分割法関する総合判例研究」

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