事例でわかる[事業承継対策]
解決へのヒント
【第75回】
「賃貸不動産の承継上の留意点」
太陽グラントソントン税理士法人
(事業承継対策研究会)
パートナー 税理士 佐藤 達夫
相談内容
私は、製造業を営むX社を経営しており、X社株式及びX社へ賃貸している不動産1棟(本社として使用)を所有しています。X社株式は昨年の12月に長男へ生前贈与を行いましたが、X社への賃貸不動産は、私がまだ所有しています。
この賃貸不動産はX社が本社ビルとして使用しているため、将来的にはX社自らが所有することが望ましいと考えています。そのため、賃貸不動産について、生前にX社へ譲渡することを考えていますが、賃貸不動産からの収益があるため、相続まで所有したいという考えもあります。
当該不動産について、生前にX社へ譲渡する場合と、相続まで所有し続け、長男が相続により承継した後に、長男からX社へ譲渡するときのそれぞれの課税上の留意事項を教えてください。
私が所有する資産・負債は、次のとおりです。
相続人は、長男になります。
《私の資産・債務》
〈資産〉
- X社への賃貸不動産:相続税評価額180,000千円(小規模宅地等の減額金額144,000千円)
- 現預金:400,000千円
- 計:580,000千円
〈負債〉
- 借入金:300,000千円
- 預り敷金:20,000千円
- 計:320,000千円
(注1) 賃貸不動産
市場価格(時価):600,000千円
取得価額:500,000千円
帳簿価額:400,000千円
(注2) 借入金は、賃貸不動産を購入する際に銀行から借り入れたものです。
(注3) 預り敷金は、賃貸不動産をX社へ賃貸するにあたり、X社から差し入れられたものです。
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