「税理士損害賠償請求」
頻出事例に見る
原因・予防策のポイント
【事例36(消費税)】
課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する事業年度においては、その事業を開始した日の属する課税期間の末日までに「課税事業者選択届出書」を提出すれば、課税事業者を選択できたにもかかわらず、これを失念したため、設備投資に係る消費税の還付が受けられなくなってしまった事例
税理士 齋藤 和助
《事例の概要》
依頼者は子会社管理を目的とする持株会社であり、設立以来、課税資産の譲渡取引を一切行っていなかった。そして、設立5期目に税理士に事前に相談せずに、賃貸不動産を購入した。税理士はこれを決算月に知らされたため、「今からでは消費税の還付は受けられない」と説明をし、何の手立ても講じなかった。
しかし、実際には、この賃貸不動産の購入がはじめての課税取引であったことから、期末までに「課税事業者選択届出書」を提出していれば還付が受けられた。
このため、賃貸不動産の購入に係る還付不能額につき損害が発生し、賠償請求を受けた。
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