〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例
【第25回】
「上村工業第一事件
-残余利益分割法が適用された事例-
(地判平29.11.24、高判令1.7.9、最判令2.3.20)(その1)」
~租税特別措置法66条の4第2項ほか~
税理士・特定社会保険労務士
森田 國弘
【判決】
- 東京地裁平成29年11月24日判決、TAINSコード:Z267-13090
- 東京高裁令和元年7月9日判決、TAINSコード:Z269-13292
- 最高裁令和2年3月20日上告不受理、TAINSコード:Z270-13390
1 事件の概要
本件は、大阪に本社を持ち、めっき用の薬品、機械装置、自動液管理装置等のめっき資材を製造販売するXが、その中央研究所で開発しためっき用の薬品の製造販売の権利を平成9年に、子会社である台湾に所在するT社に付与し、また平成12年にマレーシアに所在するU社に製造の権利を付与しノウハウを提供し、その見返りとして5%のロイヤリティを収受する契約を締結し、事業を行っていた。
平成12年に所轄税務署の調査が入り、6年後の平成18年3月に更正処分が行われた。処分の内容は、これらの取引は、残余利益分割法と同等の方法によって算定した独立企業間価格に満たないとして、平成12年3月期から平成16年3月期までの5年間についての追徴課税6億3,000万円の更正処分であった。
これに対して、Xは上記取引の独立企業間価格の算定方法として、非関連会社である韓国K社及びタイ国P社を比較対象企業として独立価格比準法と同等の方法が適用できるのであって、残余利益分割法と同等の方法を採用するのは不適切であり、その算定過程にも誤りがあるとして、申告額等を超える部分の取消しを求めた事案である。
この記事全文をご覧いただくには、プロフェッションネットワークの会員(プレミアム
会員又は一般会員)としてのログインが必要です。
通常、Profession Journalはプレミアム会員専用の閲覧サービスですので、プレミアム
会員のご登録をおすすめします。
プレミアム会員の方は下記ボタンからログインしてください。
プレミアム会員のご登録がお済みでない方は、下記ボタンから「プレミアム会員」を選択の上、お手続きください。