〈一角塾〉
図解で読み解く国際租税判例

【第88回】
「外国子会社配当益金不算入規定における
外国子会社の判定基準(地判令3.9.28)(その1)」
~法人税法23条の2第1項、法人税法施行令22条の4第1項~
滋賀大学准教授・税理士 金山 知明
- 大阪地裁令和3年9月28日判決(令和元年(行ウ)第68号)(TAINSコード:Z271-13608)
1 はじめに
平成21年度に導入された外国子会社配当益金不算入制度(法人税法23条の2第1項)は、法人課税の分野において、全世界所得課税という基本構造を維持しながら、一部に国外所得免除型のポリシーを導入するものであったといわれる。その方策は、従来の間接外国税額控除の適用基準をそのまま利用しつつ、間接外国税額控除を廃止して、対象外国会社からの配当を益金不算入とするものである。
これにより、改正による税制の混乱は最小限に抑えられたという側面がある一方(※1)、内国法人による持株割合25%以上という適用基準を満たす場合は配当益金不算入(テリトリアル型)となり、それを満たさないときは全世界所得型で課税される結果となるため(※2)、簡素ではあるが適用の可否による対照性は拡大したともいえるだろう。
(※1) 青山慶二「外国子会社配当益金不算入制度の考察」筑波ロー・ジャーナル6号(2009)105頁。
(※2) 増井良啓「外国子会社配当の益金不算入制度は何のためにあるか」村井正先生喜寿記念論文集『租税の複合法的構成』清文社(2012)214頁。
本件は、まさにその持株割合25%以上という適用基準の充足を争点とし、具体的には、外国子会社への当否の判定を単に所有株式数のみで行うか、それとも株式数だけでなく、払込金額や議決権の割合による判断も可能か否かを巡り争われた事案である。その争点自体は単純であるが、外国子会社配当益金不算入制度の適用基準に関する検討経緯や、外国子会社合算税制との関係から重要な論点を含んでいる。
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